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「幸村の兜」寄贈♪池上くんに感謝状~橋本駅長ら

和歌山県橋本市古佐田のJR橋本駅に展示していた戦国武将・真田幸村の「赤備えの甲冑(かっちゅう)の兜(かぶと=レプリカ)」の盗難事件で、その代用となる手作り兜を寄贈した京都府向日市の市立小学校四年生・池上瑠斗(いけがみ・りゅうと)くん(10)に対し、11月8日、同駅の岩田芳和(いわた・よしかず)駅長から感謝状、手作甲冑九度山真田隊=梅下修平(うめした・しゅうへい)隊長=から御礼状が贈られた。また同日、犯人逮捕後に盗戻った「兜」が元の鎧(よろい)の首部分に戻され、池上くん寄贈の「兜」は梅下隊長が新たに持参した子どもの鎧上に飾られ、改めて同駅改札口表の通路わきに展示された。
同駅は来年1月から始まるNHK大河ドラマ「真田丸」を控えて、その主人公の戦国武将・真田幸村が暮らした九度山周辺をアピールしようと今秋、手作甲冑九度山真田隊から借りた甲冑を展示。10月上旬深夜に「兜」が盗難に遭った。
たまたま池上くんが、今年の夏休みに約1週間がかりで制作していた「真田の赤備えの兜」を自宅に置いていた。ネット情報で「兜」盗難事件を知った父の帽子製造業・裕樹(ゆうき)さん(38)と母の利江(りえ)さん(38)からの教えで、池上くんは「駅にあげよう」と決心。10月12日に両親とともに同駅を訪れ、「この兜、どうぞ役立ててください」と寄贈。岩田駅長は、兜のない鎧(よろい)だけの展示は、あまりにも惨(むご)いので、盗まれた兜の代わりに、池上くん手作り「兜」を飾っていた。
この日、同駅応接室で感謝状贈呈式が行われ、池上くんと両親ら7人、梅下隊長ら隊員4人、駅関係者ら計約20人が出席。岩田駅長は、兜の寄贈で「多くの人々に感動を与え 心温まる出来事となりました」とする感謝状、梅下隊長は「先日は遠路京の都より馳せ参じたること大義であった 拙者どもの窮状を聞くに 早速に兜を寄贈してござった ありがたき幸せ」としたためた御礼状を、それぞれ池上くんに贈呈した。
岩田駅長は、池上くんの兜・贈呈のニュースは、インターネット新聞や既存の全国紙、テレビ・ラジオなどで全国に伝えられ、「心温まる話題として讃えられました」と謝意を述べ、梅下隊長も「池上くんの兜は、見事な仕上がり。皆さんに喜んでもらえます」と拍手を送った。池上くんは「真田幸村の『智勇』を兼ね備えたところが大好きです。多くの人たちに、子どもの鎧の上に飾られた『ぼくの兜』を見てもらえたらうれしいです」と話した。
池上くんの両親の説明によると、池上くんは当初、オリジナルな黒い兜を作り、その後、大好きな「真田の赤備えの兜」に制作変更した。色紙やテープを使って金色の鹿のツノや、真田家の家紋・六文銭を取り付けた。橋本駅の兜盗難事件は、その後に発生、兜の役立つチャンスが訪れた。岩田駅長は「盗難の兜は10月22日に犯人が逮捕された後、しばらくして警察から戻していただき、今回、元の鎧の上に乗せた。池上くんの兜は、梅下隊長の協力による『子どもの鎧』の上に飾ることにしました。NHK・真田丸・放映の期間中、ずっと展示したいと思います」と語った。
この日、橋本駅に展示された甲冑が大人と子どもの2体に増えると、さらに戦国武将の勇壮ぶりや、子どもの可愛さが表れて、乗降客らは「これはいい」「脚光さらに…」と、口々に言いながら、楽しそうに見入っていた。
写真(上)は岩田駅長から感謝状を受ける池上くん=バックは池上くんの兜、甲冑隊の兜と梅下隊長ら。写真(中)は橋本駅で池上くんと池上くんの兜を飾った展示・甲冑。写真(下)は池上くんや両親、甲冑隊、橋本駅の関係者。


更新日:2015年11月8日 日曜日 14:23

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