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「高野の花たち」(51)木陰を好むキッコウハグマ
キッコウハグマ(亀甲白熊)はキク科モミジハグマ属。
名前の由来は、葉が亀の甲羅のような形をして、花は兜(かぶと)や槍(やり)につける白い飾りや仏具、ほっす(払子)に使われるヤク(チベットの白毛の家畜牛)の尾の毛のたとえとのこと。
花言葉は清楚、素朴、女性らしさ。
この花は、特に珍しい花ではないのですが、閉鎖花が多く、開花は珍しいようです。高野山にはあちらこちらと咲いていますが、あまり陽の当たらない木陰を好み、奥の院のスギ苔やヒノキ苔の美しさに目をとられて近寄ると、小さな白い花のキッコウハグマを見つけるということが多いです。
ルーペで見ると、小さな花が3個または4個と集合した直径1センチ足らずの花で、花びらはモミジの葉のように1枚が5つに深く裂けています。花びらの先はカールして、とても可愛いです。
咲き終わるとコウヤボウキの綿毛みたいになります。足早でやってくる高野山の秋。ひんやりする参道で懸命に咲いている姿に頑張ってといいたくなります。
写真は龍光院境内で写したものです。(M記)
[おしらせ]今月から連載「高野の花たち」の新しいスタッフとして、植物愛好家の岡村鈴子(おかむら・すずこ)さんが加わりました。どうぞよろしくお願いします。
更新日:2015年11月7日 土曜日 21:51