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高野山へ「雑事のぼり」挑戦いかが♪国史跡の黒河道

世界遺産・高野山へ通じる〝高野七口(こうやななくち)の1ルート、和歌山県橋本市賢堂の定福寺(じょうふくじ)を起点とする「黒河道(くろこみち)」などが今月、国の史跡指定を受けた。これを受けて高野七口再生保存会=池田和夫(いけだ・かずお)会長=は、11月23日(月・祝)、伝統の民俗行事である高野参詣登山「国史跡・黒河道 雑事(ぞうじ)のぼり」を実施する。同会事務局の入谷和也(いりたに・かずや)さんは「さらに黒河道などのユネスコ世界遺産・拡大登録を目指して、歴史的な雑事のぼりに参加しましょう」と呼びかけている。
今まで高野山への国の史跡は「高野山町石道」(ユネスコ世界遺産)だけだったが、10月7日には「高野山町石道」の他に「黒河道」「三谷坂」「京大阪道不動坂」「女人道」の4ルートを加え、その名称を「高野参詣道」と名付けて追加承認された。ユネスコ世界遺産登録には、国史跡であることが条件なので、世界遺産登録へ向けて、大きく前進したことになる。
紀伊名所図会などによると、雑事のぼりとは、高野山麓などの周辺住民が、季節野菜や果物などを担いで山道を登り、弘法大師が入定している奥の院・御廟に供えたあと、山内寺院に奉納した。野菜や果物は、軒先に掛けておくと、物資を運ぶ牛馬がついでに運搬してくれたという。
この「雑事のぼり」は、長らく途絶えていたが、地元有志でつくる「高野七口再生保存会」「ふる里の山に花をの会」「黒河の会」などが、草刈り作業などに取り組み、黒河道の貴重さをアピール。さらに農事組合法人「くにぎ広場・農産物直売交流施設組合」=岡本進(おかもと・すすむ)組合長=が、約1年前、この黒河道で雑事のほりを復活させ、郷土名物「畑ごんぼ」を高野山真言宗総本山・金剛峯寺に奉納してきた。
橋本市教委の大岡康之(おおおか・やすゆき)学芸員は「さらに県教委や九度山、かつらぎ、高野の各町教委と協力し、『高野参詣道』のユネスコ世界遺産登録に向けて頑張りたい」と話した。
11月23日に行う「国史跡・黒河道 雑事(ぞうじ)のぼり」は健脚・中級向きで小雨決行。当日は午前8時10分にJR・南海高野線・橋本駅前に集合。黒河道で「雑事のほり」を実践した後、午後4時に奥の院・御供所(ごくしょ)で解散する予定。
橋本駅前では「A」「B」「C」の3班に分かれて出発。地元の応其寺や定福寺で、前日に寄せられた野菜などを持って「黒河道」を登り、高野山・奥の院へ奉納。「生身供(しょうじんぐ)」=御入定の弘法大師に食事を運ぶ儀式=に供される。
「A」班は徒歩10キロ、「B」班は徒歩14キロで、「A」班は市平橋~転軸山森林公園館間を、「B」班は定福寺~市平橋間を、それぞれマイクロバスで移動。「C」班は徒歩19キロで、「A」「B」「C」班ともに奥の院前バス停からJR南海・橋本駅までバス・ケーブルカー・電車で帰るかたちとなる。
参加費は1人500円=傷害保険、資料代として当日払い。募集人数は計80人。「A」「B」班は各15人、「C」班は50人で、いずれも事前申込制。申し込みは往復はがき「往信裏面」に住所、氏名、電話番号、コース(A、B、C)を明記のうえ、返信表面に返信先の住所、氏名を記入(返信裏面は参加証となるため無記入)して、〒648・0073 和歌山県橋本市市脇1丁目3番18号 高野七口再生保存会へ送付。問い合わせは同保存会(電話=070・2614・9671)。
写真(上、下)は、1年前の雑事のぼり風景。写真(中)はコース予定の略図。


更新日:2015年10月15日 木曜日 00:00

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