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がん克服へ「生命の授業」~医師ら小学校で開始

がん(癌)についての正しい知識を伝え、子どもたちから家族への啓発につなげたいと、和歌山県橋本市の医療法人南労会・紀和病院の医師・看護師は、9月15日、市立西部小学校で、和歌山県初の「紀和学校~生命(いのち)の授業~」を開催した。
橋本市や同市教委とタイアップし、6年生児童と保護者を対象に「授業参観方式」で行い、西部小学校6年生2学級42人と保護者約40人が図書室に集合。紀和病院「紀和ブレスト(乳腺)センター」長・梅村定司(うめむら・ていじ)医師や看護師が、がん教育のシンボルとして制作した橋本市マスコットキャラクター「はしぼう」とのコラボピンバッジ「ピンクリボンはしぼう」を胸に着けて登場。梅村医師がスライドを使って、やさしいことばで児童らに語りかけ、看護師らがサポートした。
梅村医師は先ず、「人間の体は約60兆個もの細胞で出来ている。そこに毎日約5000個のがん細胞が生まれるが、これをナチュラルキラーという細胞が、すべて殺してくれている」と切り出し、「それでも日本人は、一生のうち2人に1人は、がんになる可能性がある」と説明。
さらに「死因で多いのは胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、前立せんがん」の順と話し、「その原因の70%は、ピロリ菌や塩分、たばこ、酒など」と強調。だから「ほとんどは、たばこや酒をやめたりひかえたり、生活習慣を改め、元気に生活することで防げる」と教えた。
そのうえ「早期検診で、がんが発見されれば、ほとんどの命は助かる。毎年1回程度の検診が大切」と力説。「お父さんやお母さんには、たばこや酒など、生活習慣を改め、定期検診を勧めてください。それでも家族ががんを患った場合は、体をなでたり、友達のことを話したりして、やさしく接してあげてください」と頼んだ。
この後、児童らは10組に分かれてグループトークを実施。感想や意見をまとめ「親がたばこや酒をのみ過ぎていたら、とめてあげる」「家族といっしょに、適度に運動をしたい」などと意見発表。井上咲良(いのうえ・さくら)さん(11)は「梅村先生が、平素、がん患者を助けておられる話に感動しました。私も将来は医師になって、がん患者を助けてあげたい」と希望を話し、梅村医師は「皆さん、私の話をしっかり聴いてくれました」と喜んでいた。
この「紀和学校~生命(いのち)の授業~」は10月に市立あやの台小学校6年生を対象に開催。来年度以降も同市立15小学校で順次開催する予定。
写真(上)は児童の意見を聞く梅村医師。写真(中)は「ピンクリボンはしぼう」(イラスト)。写真(下)はグループトークをまとめる児童たち。


更新日:2015年9月16日 水曜日 00:00

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