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マンガ風に描写、安藤さん捕虜生活~手作り冊子保存

和歌山県かつらぎ町三谷の故・安藤繁夫(あんどう・しげお)さん(享年79歳)が、太平洋戦争で捕虜として収監されていたシンガポール・チャンギ―刑務所での、生活模様を描いたマンガ風「チャンギ―刑務所・絵話(えばなし)」が、親類宅で大切に保存されていることがわかった。戦後70年・終戦記念日の8月15日、戦争の悲惨さを忘れず、平和の尊さを思いながら、ここでは、安藤さんの「戦争絵話」を紹介させていただこう。
「チャンギ―刑務所・絵話」を保存しているのは、安藤さんの甥(おい)にあたる同町三谷の元小学校教諭・大倉一磨(おおくら・かずま)さん(84)で、大倉さんの話では、安藤さんは戦前、大阪鉄道管理局で、設計関係の仕事に従事していたが、召集により出兵。戦後の昭和21年10月から約8か月間、チャンギ―刑務所に収監され、同22年6月、無事、日本に帰還した。
「チャンギ―刑務所・絵話」は、縦約13センチ、横約18センチの用紙に、木炭ようのもので描いた鮮明なスケッチで、その数は64枚にのぼる。
大倉さんに託した安藤さんの文面を見ると、「チャンギ―生活の様子を漫画風にスケッチし、極秘に持ち帰ったものです。今回その一部をコピーして、手製のお粗末な一冊にまとめました。ご笑覧下さい」と、達筆な文字で述べている。
別紙には、それぞれのスケッチについての説明文が記され、例えば「どこからか、本が迷い込んできたので、のぞき込む人がむれをなし、何がなんだか、さっぱりわからん」とか、「若い外人の女性が通る。軍人の家族か、事務員か?」と首をかしげる言葉、「清掃の時、屋上にしのび上がって外を見る。久しぶりの景色に見とれた。向こうに飛行場があり、プロペラ機が飛び上がった」と、率直な驚きを述べるなど、その時その時の気持ちが綴られている。
大倉さんは、「チャンギ―刑務所には、恐ろしい絞首台があり、叔父はそこへ何度も掃除に行かされ、〝そこで処刑される戦友もいた〟と言います。そんな恐怖の日々の中で、このように楽天的に、マンガ風のスケッチがよく描けたものだと、感心しています」と、心底から思う。
そのうえで、「辛かったはずの刑務所暮らしについて、叔父はこんなに楽天的に描写しています。これも戦争の貴重な記録かと思いますので、今後〝マンガ冊子〟として出版するか、公共施設で永久保存をお願いするか、熟慮中です」と語っている。
写真(上)は刑務所に迷い込んだ本に群がる日本兵士たち。写真(中)は颯爽と通る外国人女性。写真(下)は屋上からの景色を見ているとプロペラ機が飛んだ驚きの絵。

更新日:2015年8月15日 土曜日 00:00

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