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「水の女王」NHK朝ドラ目指す~前畑がんばれ横断幕

日本人女性で初のオリンピック水泳金メダリスト・前畑秀子(まえはた・ひでこ)さんの人生ドラマを、NHK朝ドラで放送してもらおうと「全国ガンバレの日」の8月11日、前畑さんの出身地である和歌山県橋本市の市役所ロビーに、大きくてカラフルな誘致運動の横断幕が掲げられた。13日には表玄関上に移す。前畑秀子朝ドラ誘致実行委員会は「すでに前畑さんの人生を描いた図書や、前畑さんと親交のあった市民証言などを収集していて、郷土の朝ドラ誘致運動を盛り上げたい」としている。
この日は、ベルリン・オリンピック(1936年)の水泳女子200メートル平泳ぎで、前畑さん(1914~1995)が金メダルを獲得した記念の日。前畑さんの競技場面は、当時のラジオ実況放送で、NHKの河西三省(かさい・さんせい)アナウンサーが「前畑ガンバレ、前畑ガンバレ」と20回以上も連呼し、最後には「前畑勝った、前畑勝った、勝った、勝った、勝った…」と叫んで、前畑さんの頑張りと、河西アナの伝達ぶりが、全国民の心をゆさぶった。
このことから、今では8月11日を「全国ガンバレの日」と呼ばれるようになり、今回、市役所1階ロビーに「前畑がんばれ! 次のゴールはNHK朝ドラだ!」と大書して、水着姿の前畑さんと金メダルのイラストで飾った横断幕(横4・5メートル、縦90センチ)を掲示した。
同実行委=越山雅巳(こしやま・まさみ)委員長=は、橋本まちかど博物館、橋本市観光協会、橋本商工会議所などの団体と市議会議員、公募で集まった市民有志ら計37人で組織し、今春発足した。
前畑さんの偉業を掲載した新聞や図書、市民の聞き取り調査資料などを収集。実行委員は、前畑さんがオリンピックの後、開業医と結婚して、育児や病院経営の手伝いに過ごした岐阜市や、前畑さんを〝水の女王〟にまで育て上げた名古屋市の椙山女学園などを訪れ、同誘致活動を展開。岐阜市でも今秋、前畑さんのNHK朝ドラ誘致実行委員会を立ち上げる見込みという。
すでに、橋本まちかど博物館では、前畑さんと同オリンピック入賞の小島一枝(こじま・かずえ)さんの「前畑秀子生誕100周年記念展~名古屋・椙山(すぎやま)女学園に於ける前畑秀子・小島一枝」、橋本市郷土資料館でも「水の女王~前畑秀子生誕100周年」企画展、橋本市民会館では、講演会「前畑秀子の苦節と栄光」=講師・東海大スポーツ健康科学部・木村華織(きむら・かおり)助教=を開催。
さらに8月4日には、橋本市民プールで前畑さんらのオリンピック優勝記念・小中学生水泳大会を開催し、市役所ロビーに掲示した横断幕と同じものを掲示。同実行委委員や選手たちは、横断幕を囲んで記念撮影し、朝ドラ誘致の成功を祈った。
堀畑佳久(ほりはた・よしひさ)副委員長は「前畑さんは紀の川で泳ぎを覚え、椙山女学園で鍛え抜き、ついに〝世界の水の女王〟に。やがて開業医と結婚し、ご主人亡き後も、児童生徒に水泳指導を行いました。NHK朝ドラ誘致は、そう簡単なものではありませんが、前畑さんの偉業は、何としても世界に発信したいです」と語った。
写真(上)は橋本市役所ロビーに掲けられた前畑さんの朝ドラ誘致を呼び掛ける横断幕。写真(中)は橋本市役所前に建立されている郷土出身のオリンピック水泳金メダリスト・前畑さんと古川勝さんの顕彰碑(橋本ロータリークラブ寄贈)。写真(下)は前畑さんの朝ドラ誘致懸垂幕を囲み記念撮影した水泳選手たち=橋本市民プールで。


更新日:2015年8月12日 水曜日 00:00

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