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早くも定福寺の盆踊り~橋本市の紀の川畔300人超

和歌山県橋本市賢堂の紀の川河川敷「さとわ広場」で、台風一過の7月18日、早くも郷土の「定福寺(じょうふくじ)の盆踊り」が行われた。この伝統的盆踊りは、少子高齢化で途絶えていたが、昨年夏、約20年ぶりに復活し、今年の踊り子は前年を上回る300人超の賑わいぶり。石井俊彦(いしい・としひこ)区長は「夜来の雨も上がり、皆さんのご協力で、とても楽しい盆踊りになりました」と喜んでいる。
この夜「さとわ広場」中央には、紅白幕で飾った高さ約5メートルの櫓(やぐら)を設け、そこから四方に計約100個の提灯(ちょうちん)を点灯。和太鼓でリズムをとる櫓のまわりは、〝ゆかた〟や〝ハッピ〟姿の善男善女でいっぱい。踊り子たちは櫓を軸に、3重4重の輪になって、「やっちょんまかせ」「橋本音頭」「河内音頭」などの20数曲を、威勢よく、または、しなやかに踊った。
台風の雨で「さとわ広場」も水浸しになったが、18日昼は夏の太陽が照り付けて、夜には砂埃(すなぼこり)も立たず、蚊もあまり来ないという状態に。大勢の市民は、土手などに腰をおろし、まちの灯と、紀の川の流れと、踊り子の渦を、夢見心地で眺めていた。
周辺の特設テント内では、地元民やNPO法人・指定障害福祉サービス事業所「ふれあい工房」、産直市場「くにぎ広場」の人たちが、かき氷やパンなどを安価で販売。子どもたちはスーパーボールなども楽しんだ。
定福寺は世界遺産・高野山に至る「高野七口=こうやななくち」(参詣道7コース)のうちの一つ「黒河道(くろこみち)」の入口にある。定福寺の盆踊りは約20年前、少子高齢化に伴う参加者減少で中止となり、お供え、お祈りの〝地蔵盆行事〟だけを続けてきた。
昨年夏、市からの依頼で、草ぼうぼうの紀の川河川敷を整地し、区管理地「さとわ広場」と名付けて、そこを舞台とし、盆踊りを復活させたという。
定福寺盆踊りには、盆連協(橋本市盆踊り協議会=松本宇市(まつもと・ういち)会長=の呼びかけで、市内外からも大勢が参加。石井区長はもちろん、地元の山本一清(やまもと・かずきよ)さんも「復活した昨年より、今年の方が大賑わいです。これは未来も明るい、と感謝しています」と喜んでいた。
写真(上)は紀の川河川敷「さとわ広場」で繰り広げられた定福寺の盆踊り。写真(中)あでやかに踊る女性たち。写真(下)は踊り子の向こうには模擬店も見える=写真はいずれも山本一清さん撮影。


更新日:2015年7月19日 日曜日 00:00

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