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「高野の花たち」(24)ササユリ夕方かぐわしき

ササユリ(笹百合)は山地の草原に生えるユリ科の多年草。花言葉は清浄、上品。明るい雑木林や低木疎林の半日陰の斜面などで見られます。
日本原産のユリで、和名の由来は、葉が笹に似ている、ササの中によく自生していることから、名付けられました。
別にサユリ(早百合)とも呼ばれますが、「さ」は古来、田んぼの神様の言葉で、6月の田植えの頃、花を咲かせることに由来します。
この前に旅行した福島には、よく似たオトメユリ(ヒメサユリ)という、全体的に小型のユリが咲いていました。日本の古文献に現れるユリの多くは、ササユリと考えられるそうです。
高さ50~100センチの茎の先に長さ10センチほどの漏斗状(ろうとじょう)鐘形、淡紅色の花を横向きに開きます。細く剛直な茎に8枚から15枚の葉を散生し、全体的に優雅で清楚な感じを与えます。ササユリは静岡県を境にして、関東では見られません。
ササユリは美しい花色に加えて、花の奥に甘い蜜を持ち、かぐわしい香りがします。この香りは夕方になると、より強くなるそうです。あたりが暗くなると、スズメガという蛾に、花粉を運ばせるためで、淡いピンク色も暗いところで目立たせるためだそうです。
私の子供の頃は、抱えきれないほどのササユリを摘むのが楽しみでしたが、今では各地でその数を減らしているそうです。(T記)


更新日:2015年6月23日 火曜日 19:49

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