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郷土の道路建設急ピッチ~高野山開創記念や国体控え
平成27年(2015)は「高野山開創1200年記念大法会」や「紀の国わかやま国体」〝開催年〟であり、和歌山県橋本・伊都地方では、それに伴う道路建設・拡幅工事の〝推進・完成年〟とも言える。とくに大地震が懸念される和歌山県内では、「今のうちに交通容量を増やし、災害時に対応できるように」と、道路網の新設・拡幅を推進中だ。そこで「私たちの郷土の道路網は、いつごろ、どうなるのか」という、読者の問いに応えて、和歌山県伊都振興局で取材、道路工事の現況や完成見通しなどをまとめてみた。
① 国道371号「橋本バイパス」=橋本市東家(京奈和自動車道・橋本IC)~橋本市三石台(市道・慶賀野・垂井線)間約3キロのコース。全線4車線計画だが昨年6月に暫定2車線(自転車道・歩道付き)で開通。残りの同市御幸辻~三石台間の4車線化の早期完成を目指し工事中。新紀見トンネル(仮称)建設は、平成30年代半ば完成に向け、同27年度中の着工を予定している。
② 国道371・480号「高野山環状道路」=これは高野山の大門~奥の院を結ぶ目抜き通りの、いわゆるバイパス道路で、既存道路の南方で建設中。延長4・32キロ、幅7メートル、総事業費73億円。高野山開創1200年大法会(平成27年4月2日~5月21日)をにらみ平成21年度に着工、同27年3月末完成を予定している。
③ 国道370「花坂拡幅」=高野町矢立~志賀高野山トンネル間1・52キロ、幅9・25メートル。同27年3月末に完成予定。
④ 国道480号「花坂~大門 拡幅」=約3キロ、幅7メートル。一部供用済み。道路建設残土を埋立使用する部分を除き、同27年3月末には、大半供用予定。
⑤ 県道和歌山・橋本線「西渋田~東渋田」=延長1・845キロ、幅12メートル(バイパス部9・75メートル)。平成26年12月25日に完成・開通済み。
⑥ 県道那賀・かつらぎ線=これは、京奈和自動車道かつらぎ西ICと国道24号を結ぶ道路で、国道480号を介して、大阪府和泉市を結ぶ府県間道路としても重要。延長約2キロ、幅約10メートル。平成30年3月末に完成の予定。
⑦ 「紀の川フルーツライン」(紀の川左岸広域農道)=橋本市清水~かつらぎ町西渋田間の紀の川南岸を走る延長約18キロ、幅6・5メートル。名称は公募で決定。清水~九度山町広良間は同27年3月末開通予定。全線供用は同28年度中の完成を目指している。
⑧ 国道480号「鍋谷峠道路」=同国道は、大阪府泉大津市~和歌山県有田市に至る幹線道路で、そのうち「鍋谷峠道路」は四郷~和泉市外環状道路を結ぶ道路。延長4・1キロ(うちトンネル3・7キロ)、幅7・5メートル(トンネル部8・5メートル)。和歌山県域1・4キロ(全トンネル)、大阪府域2・7キロ(うちトンネル2・3キロ)。同28年度中の完成をめざして工事中。トンネルは昨年12月現在、和歌山側から2・166キロ掘削済み。大阪側からは平成27年4月に掘削を開始の見込み。
⑨ 京奈和自動車道「紀北西道路」=これは同自動車道の紀の川IC(紀の川市神領)~阪和自動車道(和歌山市弘西)間の延長約12キロ、幅11メートル(暫定2車線)。県は「紀の国わかやま国体」(9月26日~10月6日)までの完成を要望している。
伊都振興局では「災害時の道路ネットワーク、異常気象時の交通対策、農産物などの流通など、道路網の整備は重要です。とくに高野山開創1200年、きのくに国体では、全国から県内に車が沢山集中するので、工事は急ピッチで推進しています」と話している。
写真(上)は紀の川左岸で建設中の「紀の川フルーツライン」の一部=向こうは紀の川の橋本高野橋。写真(中)は国道371号「橋本バイパス」の4車線工事現場。写真(下)は京奈和自動車道・紀の川IC付近=右側道路は和歌山市方面に向けて建設工事中。