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小説・兄貴〝総集編〟放送、年末年始にFMはしもと
和歌山県橋本・伊都地方の地域放送局「FMはしもと」で、この夏から連続放送し、好評を博しながら終盤を迎えている、ラジオドラマ・小説「兄貴」=今江祥智(いまえ・よしとも)氏・作=のこれまでの〝総集編〟が、この年末年始の5日間、一挙放送される。中野豊信(なかの・とよのぶ)報道部長(66)は「いろんな事情で、すべてを聴けなかった方々は、ぜひ、この機会に『816』にチャンネルを」と話している。
このドラマ「兄貴」は、昭和20年(1945)春、夫を病気で亡くし、長男を兵隊にとられた母が、さらに大阪大空襲で焼け出され、二男・洋次郎(ようじろう)、三男・洋(ひろし)兄弟(中学生)を連れて、故郷・橋本に疎開。
食糧難の中、母は初めての畑仕事、洋次郎は動員先での工場労働、洋は紀の川で魚とりをするなど、母子協力しての必死の生活。灯火管制の厳しい中、橋本橋たもとの紀の川に潜み、空襲から身を守ったかと思えば、米軍機による橋本駅・機銃掃射の惨劇も起きるというストーリー。
中野部長が演出し、一色洋輔(いっしき・ようすけ)さん(52)が音楽を担当。FMはしもとで音楽、トーク、ニュースを担当している桝井由紀(ますい・ゆき)さん(57)が、ナレーションと主人公の母など全女性、中野部長が洋次郎・洋など全男性を演じている。
この番組は、今年8月18日に開始。毎週日曜日の午後7時からは、1週分をまとめて放送。普段「はしもとワイドモーニング」(月、火、木、金曜日の午前8時~同10時の生放送)の中で、連続番組として放送。終盤を迎えている。
これまでの〝総集編〟は、12月29日(月)~来年1月2日(金)の午前8時~10時に放送することになっている。
「FMはしもと」によると、この放送番組への反響は大きく、リスナーの皆さんからは、「放送を毎回心待ちにしている」「欠かさず録音している」「小説・兄貴はどこで読めるのでしょうか」「CDを制作・販売してはいかが」などという声が寄せられていて、中野部長は例えば、「小説は橋本市図書館に置いくれています」などと対応。「このドラマで、戦争の悲惨さ、理不尽さ、人々の逞しさを、多くの方々にわかってもらえてうれしい」と喜んでいる。
写真(上)は小説「兄貴」をラジオドラマ化して演じている桝井さん=左=と中野部長。写真(中)は今江祥智さん作の小説「兄貴」と主人公の母を演じる桝井さん。写真(下)は二男、三男を演じる中野部長。