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水の女王・前畑秀子・生誕100周年~企画展開幕

ベルリン・オリンピックの水泳金メダリスト・前畑(まえはた=結婚後・兵藤=ひょうどう)秀子(ひでこ)さん(1914~1999)の写真・資料を紹介する企画展「水の女王~前畑秀子生誕100周年」が、12月2日、出身地の和歌山県橋本市御幸辻(杉村公園内)の橋本市郷土資料館で始まった。奥裕香子(おく・ゆかこ)学芸員は「前畑さんがエジプトでラクダに乗った姿や、両親の墓前に優勝報告する写真など、初めて展示するものばかりです」と話している。27日(土)まで。入場無料。
前畑さんは、同32年のロサアンゼルス・オリンピック水泳200メートル平泳ぎで銀メダル、同36年のベルリン・オリンピック水泳・200メートル平泳ぎで金メダルを獲得。同78年には、国際水泳連盟に日本女性初の殿堂入りを果たしている。
同資料館では普段から、前畑さんの資料を常設しているが、今回は生誕100周年を契機に、ご遺族や橋本市民の協力を得て、これまでにない資料を改めて収集。企画展では、前畑さんが同26年、全日本学童競泳大会・50メートル自由形で優勝した古い賞状から、晩年、子供たちに水泳指導する前畑さんの水着姿の写真まで、計43点を出展した。
また、前畑さんの「水泳人生・説明文」も掲示。子供の頃、体が弱かった前畑さんに、両親が紀の川で水泳を教えたことや、同31年には相次いで両親を亡くし、オリンピック出場を断念しかけたものの、母校の椙山(すぎやま)学園長や生徒たちの後押しにより、ロス五輪に挑戦できたことを紹介。
また、金メダル獲得後、ロンドン、バリ、エジプトを旅行し、初めて飛行機に乗って、五輪決勝と同じほど緊張したこと、ラクダに乗ってスフィンクスやピラミッドを見物したこと。橋本駅・凱旋(がいせん)では、国旗掲揚、祝いの花火、旗の波でごった返したことを記した。
終戦後は、夫の医師・正彦(まさひこ)さんが岐阜で開業、前畑さんが助手を務め、さらに夫の死後も、椙山学園医務室・水泳コーチ、幼児教室、母親教室、スイミングクラブで、水泳選手の育成、普及に努めたことなどを紹介している。
写真は、拡大コピーするなどして、前畑さんが紀の川に飛び込む瞬間や、前畑さんがエッフェル塔にぶら下がる愉快なポストカード、ラクダに乗ってエジプト見物する前畑さんの笑顔、両親の墓前に金メダルなどを飾り、優勝報告する風景などを掲示した。
奥・学芸員は「前畑さんご夫婦が、これはご自宅でしょうか、2人仲良く写っている、珍しい写真もあります。ゆっくりご覧ください」と言っている。
現在、国道371号バイパスから、杉村公園に入る進入路付近は、工事中のため通行止め。同資料館へは、紀見小学校東側の駐車場に駐車、徒歩数分の距離。
開館時間は午前9時~午後5時(受付は同4時40分)。休館日は月曜と祝日の翌日と、年末年始(12月28~1月4日)。
なお、12月6日(土)午後1時半~同3時半には、同資料館で「橋本市郷土資料館40周年記念講演」を開催。講師の郷土史家・瀬崎浩孝(せざき・ひろたか)元資料館長が、資料館の歴史をテーマに話す。参加無料。参加希望は同資料館(電話=0736・32・4685)へ。
写真(上)は金メダル獲得後ラクダに乗ってエジプト見物する前畑秀子さん。写真(中)は「水の女王~前畑秀子生誕100周年」の企画展。写真(下)は企画展は子供たちに水泳指導する前畑さんや花嫁衣裳姿の前畑さんの写真などの展示風景。


更新日:2014年12月3日 水曜日 00:02

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