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〝懐メロ・出前〟いかが♪~森脇さん(82)活躍中

戦前・戦後の懐かしいレコードを収集している和歌山県橋本市橋本の森脇茂(もりわき・しげる)さん(82)は、ボランティアで社会福祉施設の利用者や、音楽好きのお年寄りに、昭和歌謡や戦時歌謡のCDやレコードを聴いてもらう「出前演奏」を行い、高齢者から「若い頃を思い出す」「寿命が延びた」と喜ばれている。
森脇さんは、自らカラオケで歌うのが趣味で、NHK「のど自慢」に出場したこともある大の〝歌謡曲ファン〟。若い頃から昭和歌謡、戦時歌謡のレコードを収集してきたが、橋本駅前の市街地再開発で、自宅を取り壊し、移転した際、不覚にもその多くを紛失した。
それでも、大事に手元に置いていた「赤城の子守唄」「旅笠道中」などで名高い東海林太郎や、春日八郎、フランク永井、鶴田浩二ら、1930~50年代にかけてのLP盤、古賀政男の「酒は涙か溜息か」「影を慕いて」などのレコードは、幸い保存できた。
平成14年(2002)当時、橋本駅前の古い町並みが、どんどん消えていく中、「少しでも、まちを明るくしたい」と、地元の「まちかど博物館」の筋向いにあった仮店舗で、板金業の仕事のかたわら、土間にプレーヤーを置いて、終日、昭和歌謡を流した。
すると通行人から、「懐メロはええな」「ほかにも、ええ曲ないかい」などと声がかかる。そこで平成19年(2007)、「いっそのこと、希望者には、心行くまで聞いてもらおう」と決心し、「出前演奏」を開始した。
以来、市内の各地区集会所、地元の傷痍軍人会、老人会などから「お呼び」がかかり、プレーヤーとレコードを車で運んでは、希望曲を流してきた。
最近では、三橋美智也がディックミネの「人生の並木道」など、田端義夫が二葉あき子の「九段の母」などを歌っている、持ち運びが手軽な「CD&ラジカセ」を自費で購入。
橋本市内の紀和病院の小規模多機能型居宅介護施設「森のこかげ」に毎週月、水、金曜日の午前10時~午後3時に持参して「出前演奏」。昭和歌謡や戦時歌謡が流れると、お年寄りらは、いつの間にか歌を口ずさみ、やがて合唱。うっとりとした時間を送っている。
森脇さんは「私たちが、昔、なじんだ歌は、皆さん、すべて、大好きです。寂しかったら、先ず、昔の歌を聞いて、それから口ずさんで、楽しい時間に変えましょう」と言っている。
「出前演奏」希望や問い合わせは、森脇茂さん(電話=0736・32・0562)へ。
写真(上、中)はCD・ラジカセやレコード・プレーヤーで昭和歌謡・戦時歌謡の「出前演奏」を行っている森脇さん。写真(下)は「まちかど博物館」前でレコードをかけていた頃の森脇さん。


更新日:2014年11月30日 日曜日 00:14

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