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竹製スピーカ開発♪いい音響♪森脇さん4年かけ

和歌山県橋本市橋本の療法士・森脇清文(もりわき・きよふみ)さん(49)が、美しい音響効果を発揮する「竹製スピーカー」を自宅で開発した。森脇さんは「将来、障害者支援施設などで、皆さんのお役に立てば」と考えていて、さらに改良を重ねている。

開発された竹製スピーカーは、大・小2種類あり、大きいのは高さ約1メートル、小さいのは高さ約45センチで、竹の内径はいずれも約11・5センチ。竹の節を万遍なくくり抜き、上部先端には、聴衆のいる方角に音響を流す作動式の傘を取り付け、下部全体を銅板で巻いて、ひび割れしないように固めた。例えばCDで音楽をかけ、このスピーカーにつなぐと、これまで聴いたことのないような、素敵な音響が伝わってくる。

森脇さんは、昭和時代の蓄音器・レコード収集家として知られる森脇茂(もりわき・しげる)さんの長男で、森脇さん自身も大のクラシック音楽ファン。

「真空管よりも、いい音を出せないものか」と考え、約4年前、九度山町の山の所有者の承諾を得て、自ら竹山に入り、自らの目で竹を選定、太くて丈夫な竹を伐りだし、必死で製作に挑んできた。

「竹は湿気が強くても、乾燥し過ぎても、本来の音は伝わらない」「竹は、竹だけでは、やがて、ひびが入る」ことなど、さまざまな難題に直面。竹の下部に銅板を巻き付けるなど、試行錯誤を重ねながら、やっと竹製スピーカーを開発・製作することができた。

茂さんの友人で戦時中、シベリア抑留を体験した阪口繁昭さん(85)が、茂さんの収集保存した軍歌「麦と兵隊」「ラバウル小唄」などをかけてもらったところ、「あまりにもきれいな音響なので、涙がでてきました」と感激。

森脇さんは「スピーカーの出来栄えには、今も納得できていません」と言い、まだまだ改良意欲が旺盛で、「将来は障害者支援や、高齢者の施設で、皆さんにいい音響・音楽を楽しんでもらえたら」と話している。

写真(上)は製作した竹製スピーカーと森脇清文さん=自宅で。写真(中)は竹山から伐りだしたスピーカー材料の青竹。写真(下)は製作された竹製スピーカー=いずれも阪口さん撮影。


更新日:2014年7月4日 金曜日 00:00

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