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山里に串柿の玉簾~四郷~23日Finalまつり
日本一の串柿の本場、和歌山県かつらぎ町四郷地区で11月23日(金=勤労感謝の日)、「2014 The Final 四郷(しごう)串柿まつり」(同実行委員会主催)が開かれる。同まつりは平成元年(1989)から毎年開催し、今回は会場・駐車場難の都合により最終回となるが、地元農家では「皆さん、この串柿の山里で、いい思い出をつくって下さい」と言っている。
山上には、堀越癪観音(ほりこししゃくかんのん)があることでも名高い四郷(広口、滝、東谷、平)地区では、今なお約400年前から続いている〝串柿の玉簾(たますだれ)干し〟が行われ、山腹の道沿いでは、串柿の玉簾が晩秋の風に吹かれ、赤らんでいる。
玉簾とは「夫婦にこにこ(2個2個)仲むつ(6個)まじく」と、1本の竹串に10個の柿を通し、それを10本、簾のように編み上げたもの。12月には美しく干し上がり、京阪神方面に出荷され、正月の縁起物として、各家庭の床の間に飾られる。
今、この串柿の玉簾を見ようと、観光客がバイクやマイカーで訪れていて、地元農家の小林洋之(こばやし・ひろゆき)さん(61)は、「今年の串柿は玉太り、色つやも良く、いい正月飾りになりそう」とにっこり。軒下には〝干し柿〟もぶら下がっていて、観光客は1本(11個付き)500円の〝干し柿〟を、次々と買い求めていた。
「四郷 串柿まつり」は、当日午前10時~午後3時半、四郷地域交流施設「ともがき」グラウンド(旧・四郷小学校)で開催。ステージイベントは四郷千両太鼓演奏、マジックショー、ダンスパフォーマンス、漫才・歌謡ショーなどがあり、会場イベントでは串柿づくり体験・実演・展示、ふるさと産品即売会、つきたて餅販売、バザー・模擬店などが予定されている。
会場は、JR和歌山線・笠田駅で下車、北へ約6キロの場所。実行委では「山間地のため駐車場が少ないので、電車・バスでお越し下さい」と呼びかけている。
写真(上)は小林さん方の塀沿いに干された串柿の玉簾。写真(中)は串柿の玉簾干し作業に忙しい小林さん。写真(下)は串柿の玉簾の遥か向こうにも串柿の山里が連なっている。