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見てね「東家の天保だんじり」写真集~秋祭り楽しく
和歌山県橋本市の「だんじり祭り」のうち、相賀(おうが)大神社など3神社の祭礼は、10月11(土)、12(日)両日、繰り広げられる。その際、登場する同市東家区の〝岸和田型地車〟を写真・文で紹介した写真集「東家の天保だんじり」が、JR・南海橋本駅前の観光案内所に展示販売されている。執筆者で天保だんじり保存会会長の奥村浩章(おくむら・ひろあき)さんは「天保だんじりの彫刻や、その歴史などを知ったうえで、やり回しなどを見物すると、楽しさは倍増すると思います」と言っている。
この地車は、天保11年(1840)6月、大阪府岸和田市中町が新調。地車の彫刻は、〝浪速彫刻〟の名門、花岡源助(はなおか・げんすけ)とその一門による最高傑作といわれ、中町や大阪府貝塚市清児、同府和泉市芦辺で曳行されていた。
橋本市東家区は昭和34年(1959)9月に、この地車を購入し、今まで毎年の秋祭りに曳行。とくに90年の「大阪国際花と緑の博覧会」や、94年の「和歌山リゾート博覧会」に出展、曳行されると、近畿各地の地車ファンから喝采を浴びた。
写真集は2005年に発行、A5判44ページ、カラー刷り。〝東家の地車〟について、84枚の写真を使い、鬼板や凝宝珠(ぎぼし)など各部の名称や、正面の〝素戔鳴尊(すさのおのみこと)の大蛇退治〟や、〝源頼政と猪早太(いのはやた)の鵺(ぬえ)退治〟車板の〝鷲(わし)と猿〟などの彫刻の意味を詳しく解説している。
発行当時の東家区長・東又良一(ひがしまた・りょういち)さんは巻頭で、「この地車は現在、曳行中の岸和田型だんじりとしては、最古であり、再現不可能な彫刻に飾られていて、多方面から保存を望む声が多いので、記録、調査して冊子を発行しました」と述べている。
橋本市の今年の「秋祭り」は、10月4(土)、5(日)両日に「隅田(すだ)八幡神社の祭礼」があり、同11(土)、12(日)両日は「相賀八幡神社、相賀大神社、牛頭(ごうず)天王社の祭礼」、25(土)、26(日)に「学文路(かむろ)天満宮の祭礼」が行われる。
写真集は1冊800円(送料別)。販売に関する問い合わせは橋本駅前の「はしもと広域観光案内所」(0736・33・3552)へ。
写真(上、中、下)はいずれも冊子「東家の天保だんじり」。