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妙楽寺の写真集&DVD完成~慶讃法要を記録保存

和歌山県橋本市東家の妙楽寺再建再興委員会(森下功委員長)は、今秋営まれた同寺・鐘楼門の落慶と、初代住職・如一尼(にょいちに)1170回忌、本堂再建祈願の三大仏事を合わせた〝慶讃(けいさん)法要〟の「写真集&DVD」を作成し、橋本市教育委員会(松田良夫教育長)へ寄贈した。
同法要は11月4日、同寺境内に高野山真言宗・定福寺(じょうふくじ)住職・生地清祥(おんじせいしょう)僧正を導師に、高野山・金剛峯寺などから計12人の僧侶が参集、同寺を尊崇する善男善女約100人が参列して営まれた。法要後は東家コミュニティーセンターで、妙楽寺・鐘楼門の修復を指導した文化財建造物保存修理技術者・鳴海祥博(なるみ・よしひろ)さんの講演会があり、古い妙楽寺の歴史が語られた。
同法要の写真集は、妙楽寺再建再興委員会委員の中本義則さんと、青木永造さんの2人が撮影・制作したA4判の冊子で、100余枚のカラー写真を収録した。
その中身は、法要の前日、風雨の中で境内にブルーシートを敷いて、テントを張る厳しい準備風景、からりと晴れた法要当日、色鮮やかな袈裟衣姿の12人の僧と2人の稚児の行列が、美しく修復された鐘楼門をくぐる姿、いんいんと読経が響く中、木下善之市長や松田教育長ら大勢の来賓と、一般参賀の人々の焼香風景などで飾られている。
また、DVDはフォトライター・北森久雄さんが撮影して、一部はNHK(和歌山)で放映された動画と、FMはしもとが法要や講演会の音を収録・放送したコピーの2枚で、同写真集に添付した。
森下委員長と奥村浩章委員は、この「写真集&DVD」を「歴史的な寺の慶讃法要の記録、大切に保存してください」「鳴海先生の指導をいただき、経験豊富な宮大工の手で修復された妙楽寺・鐘楼門であり、ぜひ、橋本市の文化財指定をお願いしたい」と、松田教育長に手渡した。松田教育長は、この「写真集&DVD」を担当・学芸員に回し、妙楽寺の貴重な資料とした。
中本委員は「写真集は私たちの手作りで、6冊を制作し、妙楽寺、東家区、市教委に寄贈。残りは私たち委員が保管しています。妙楽寺は嵯峨天皇の勅願で、弘法大師・空海が開基した奈良・西大寺の末寺。きちんと記録させていただきました」と話した。
妙楽寺で最近発見された観音菩薩立像(奈良時代後期~平安時代初期)は、すでに橋本市文化財に指定。鐘楼門は35年前、近畿郵政局が〝国宝扱い〟で風景印に採用、今も橋本で消印として使われている。また、本堂は老朽化で崩落、すでに撤去。地蔵菩薩座像など県文化財3体は、橋本郷土資料館で保管中。
奥村委員は「一日も早く鐘楼門が文化財指定され、本堂も再建されて、橋本の文化財が末永く守られますように」と話した。
写真(上)は妙楽寺の慶讃法要の動画と録音DVDを収録した写真集。写真(中、下)は慶讃法要の各場面が収録された写真集。


更新日:2013年12月19日 木曜日 00:23

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