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落ちアユ「簗漁」始まる~秋本番、橋本市の紀の川

和歌山県橋本市の紀の川で9月10日、落ちアユの「簗漁(やなりょう)」が始まった。紀の川漁協組の総代・土居雅三(どい・まさぞう)さん(73)は「この夏、台風・豪雨を免れたので、落ちアユの豊漁を期待しています」と張り切っている。

この日、橋本・伊都地方は、浮雲の生まれる青空と、やっと秋めいた風が吹き渡り、紀の川の水面は、心地よく細波(さざなみ)立っている。

土居さんと、同漁協理事の垣内良平(かきうち・りょうへい)さん、総代の松井国夫(まつい・くにお)さんの3人は、橋本高野橋の下流約500メートル付近で、胸まで水につかり、新しい簗を仕掛けた。

紀の川の南北の河原から河原にかけて、約100メートル間に、等間隔に杭(くい)を打ち込み、そこに数本の紐(ひも)を張る。水流でその紐がふるえ、ぶるぶると音を発すると、落ちアユは簗付近で立ち往生して、やがて群れをなす。ぴちぴちと波立つと、そこへ「コザカ」と呼ばれる網を投げ打って、落ちアユを一網打尽にしようという漁法。

これから11月上旬までが、落ちアユ漁のシーズンで、昔はだいたい1000匹、今はエサの苔も少なくなり、漁獲量も500匹ぐらいに半減したが、卵をはらんだ〝子持ちアユ〟を生け捕りにできるという。

モズクガニ漁、アユ・アマゴ漁のベテラン、土居さんは「今年もおいしい落ちアユをとって帰り、家族や友人知人を喜ばせたい」と、網打ちのテストを繰り返し、豊漁の自信を深めていた。

写真(上、下)はコザカの網打ちテストをする土居さん=フォトライター・北森久雄さん撮影。写真(中)は、紀の川に簗をつくる垣内さんと松井さん。


更新日:2014年9月11日 木曜日 00:00

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