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ああ楽しく踊れた♪「紀の国やっちょん祭り」に感謝

和歌山県橋本・伊都地方の盆踊りを盛り上げてきた第17回「紀の国やっちょん祭り」(NPO法人 紀の国やっちょん振興会主催)が、今回で終止符を打つことになり、9月7日、その「ファイナル祭り」が橋本市保健福祉センター前をメイン会場に開かれた。

「紀の国やっちょん」は、郷土に伝わる盆踊り「やっちょんまかせ」を基にして、若者たちが自由にアレンジした新しい音頭や振り付けのこと。

もともと「やっちょんまかせ」は、情緒豊かではあるものの、そのぶん地味と言えば地味で、河内音頭や炭坑節などに押されがちだった。そこで、伊青連(伊都橋本青少年団体連絡協議会)は、「やっちょんまかせ」の中にある「やっちょんまかせはよいやな デバサイ」という、囃子(はやし)さえ含まれていれば、振り付けも、リズムも、音楽も自由で、子供も高齢者も自由に楽しめる「紀の国やっちょん」にしようと発案。

平成6年(1994)9月には、伊青連主催で、初めて「紀の国やっちょん」踊りが披露された。平成13年(2001)には、特定非営利活動法人・紀の国やっちょん振興会が発足し、過去、荒天中止の時もあったが、毎年、この祭りを続けてきたという。

今回は、9月6日に橋本市の林間田園都市駅前で、同7日は九度山・道の駅会場など3か所で、それぞれ開催した後、橋本市保健福祉センターをメイン会場・ファイナル会場にして開催。名高い「十花仙(じゅっかせん)」や「やっちょん月和会(つきわかい)」など、地元はじめ近府県から、計27連もの踊り連が参加した。

昼間は、まぶしい秋日差しの中、カラフルな衣装を身につけ、激しいリズムに乗って、きらびやかに躍動。日没後は、全員参加の「やっちょんまかせ」と「紀の国やっちょん」の総踊りがあり、大きな6本の旗が大空にはためく中、「やっちょんまかせ」はしなやかに、「紀の国やっちょん」はエネルギッシュに踊って、祭りのフィナーレを飾った。

この祭典は終幕となったが、それぞれの踊り連は、今後も各地域の盆踊りや、さまざまなイベントに参加し、郷土文化を普及していくことになる。

同祭り実行委員会の阪井博(さかい・ひろし)実行委員長は「最近のスタッフの高齢化や、若者たちの厳しい生活環境などにより、次世代にバトンタッチできないのは残念ですが、この新しい踊りは、今では、学校でダンス教育に取り入れられ、子供たちの創造性や、郷土を愛する心を育てています」と話し、スタッフや協力企業、踊り連の人たちに感謝した。

同振興会の津本一男(つもと・かずお)会長は「いつもよく〝やっちょん雨〟に降られてきましたが、きょうは絶好の天候に恵まれ〝有終の美〟を飾ることができました。この祭りが、どれだけ何を残せたかは、わかりませんが、皆さん、踊りが大好きなこと、それによってこの祭りで、つながりができたこと、それはよかったと思います。祭りはこれで終わりますが、今後とも、つながりを大切に」と、明るく締めくくり、全員、拍手で讃え合った。

写真(上、中、下)は、第17回「紀の国やっちょん祭り」ファイナルを飾った踊り連の躍動ぶり=写真家・中本義則さん撮影。


更新日:2014年9月8日 月曜日 00:00

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