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10年先の高齢者介護は?~市議有志が施設見学始める

和歌山県橋本市の市議会議員有志は、橋施連(はししれん=橋本市社会福祉施設連絡協議会)から、「ぜひ福祉施設の実態を知ってほしい」という要望を受けて、8月19日、県内最大級の社会福祉法人・光誠会・特別養護老人ホーム「ひかり苑・天佳(てんか)苑」(隅田町)から見学を始め、高齢化社会の中、福祉施設の不足を実感した。

橋施連には、同市内の老人介護施設、障がい者支援施設、児童養護施設など計9法人・12施設(利用者計約920人、職員計約500人)が加盟。

この日、森下伸吾(もりした・しんご)、中西峰雄(なかにし・みねお)、坂口親宏(さかぐち・ちかひろ)、堀内和久(ほりうち・かずひさ)、樽井豪男(たるい・ひでお)各議員(議席順)が集合。堀畑佳久(ほりはた・よしひさ)施設長や幹部職員の案内で、入所者約180人、デイサービス利用者約20人の両苑の各寝室や、食堂、浴場、トイレ、廊下、庭、デイサービス利用現場などを見て回った。

この後、ひかり苑・会議室に集まり、各議員が角度を変えながら質問。堀畑施設長らが「橋本市の10年後は、75歳以上の高齢者が激増。今のままだと、施設へ入所したいと思っても、部屋が空くまで、概算で10年はかかるでしょう」と説明。施設不足、介護職員不足を訴えた。

また、「国は現在、在宅介護を促進し、それによって福祉経費を抑制しようとしているようですが、在宅介護には医療費など、逆にお金がかかり、実際には施設で介護した方が、よほど経済的・効率的かと思われます」と強調。

「介護士の収入についても、地方の施設より、都会の施設の方が、公的に優遇されている。これでは地方ほど、介護職員が定着してくれなくなる」と課題を上げ、「雇用面では、市内の広大な企業誘致で160人超の雇用であるのに対し、当老人施設だけでも130人の雇用を確保している」と述べ、福祉施設の充実は、同時に雇用促進にもつながると説明した。

最後に堀畑光久(ほりはた・みつひさ)理事長が「たとえ介護士の報酬が、都市部より低くても、弱者介護の手を抜くことなど、断じてできるものではない。この厳しい実態を知ってほしい」と力説。森下議員が「この声を次につなげたい」と締めくくった。

橋本市議会の議員有志は今後、残る8法人・10施設を順次見学して、非常に大切でありながら、年々深刻化する高齢者介護問題に取り組む。

写真(上)は特別養護老人ホーム「ひかり苑・天佳苑」を見学する橋本市議会議員ら。


更新日:2014年8月20日 水曜日 00:00

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