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稚アユ5万匹、玉川に放流~凍傷気遣い水温調節

関西の渓流釣りの本場、和歌山県橋本市、高野町、九度山町を流れる玉川(紀伊丹生川)で、4月13日、稚アユの放流が行われた。この日は朝晩の冷え込みの影響で水温は冷たく、玉川漁業協同組合の組合員らは、稚アユが〝凍傷〟を受けないよう、稚アユの入ったトラック水槽の水温を調節。稚アユは元気に玉川を泳いで行った。
午前9時過ぎ、琵琶湖産の稚アユ約400キロ(約50000匹)が、滋賀県長浜市から水槽・トラックで玉川に到着した。ところが、玉川の水温は9度以下と冷たく、トラック水槽内の水温は長浜市を出発した時点で14度。途中、氷を投入しながら運搬し、玉川到着時には11度まで下がったが、それでも2度の温度差がある。このまま放流すると、稚アユは〝凍傷状態〟に陥る。
漁協組合員らは、水槽から排水しながら、川の水を水槽にポンプアップ。水温を9度近くまで下げ、千石橋~下市平橋間の15か所で、バケツを使って丁寧に、ゆっくりと、やさしく放流。稚アユは勢いよく上流へ泳いでいった。4月19、20日にも人工・海産アユ約600キロを放流する予定。
今年のアユ解禁は6月1日(日)で、入漁料は年券9000円ブラス消費税8パーセント、日券3000円プラス同8パーセント。例年の年券8400円、日券3150円よりもアップしている。
今年は、昨年9月の大水害で玉川沿いの県道が、各所で崩落するなどの被害を受け、今なお復旧工事中であり、下市平~犬戻り間が通行止め。アユ解禁中に復旧することは難しそう。このため下市平橋の下流は、九度山町側から、犬戻りから上流は橋本市側から、車で向かうことになる。
山本秀次組合長は「玉川峡の大水害は、昭和28年の7・18紀州大水害に次ぎますが、川そのものは清流を取り戻しました。きょう放流した稚アユは体長8センチ前後ですが、アユ解禁日頃には、16センチ前後に成長してくれることでしょう。起伏の多い玉川のアユは格別うまいですよ」と話した。
写真(上)は玉川に放流される稚アユ。写真(中)は放流寸前のバケツの中の一塊の稚アユたち。写真(下)は水温調節をする給排水エンジンと稚アユを満載したトラック水槽。


更新日:2014年4月14日 月曜日 00:10

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