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難聴者ら〝新春の筆談会〟~8人和気あいあい

和歌山県内で唯一のサークル、橋本市の「難聴者・中途失聴者交流の筆談会」=平田光拡(みつひろ)会長=が主催する「新春・筆談会」が、1月5日、橋本市中央公民館3階研修室で開かれ、男女会員8人がすべて筆談で、楽しい〝松の内〟を過ごした。
同会は平成23年10月、平田さんが中心となり、「引きこもりがちになりやすい、難聴者の交流の場をつくろう」と発足。
以来、昨春は同市御幸辻の杉村公園・松林荘(しょうりんそう)で、難聴者・中途失聴者が弁当を味わい、黒板で筆談を交わしたり、昨秋には同市北馬場の運動公園北の〝郷土の森〟で、講師を招いてピザ作りを体験し、その所感を筆談で交歓したりするなど、毎年2回〝特別・筆談会〟を開催してきた。
平素は毎月・第1日曜日と第3土曜日の午後1時~同3時、橋本市中央公民館で〝通常・筆談会〟を実践してきた。
この日は今年第1回、つまり〝新春・筆談会〟とも言うべき集まりで、会員らは1脚のテーブルを囲んだ。会員はある程度、会話もできるが、この「筆談会」は、会話OKの人も、会話が難しい人も、「筆談オンリー」で交流することが一番大切なポリシー。それぞれ〝約束事〟として口を閉ざし、言いたい言葉は、すべて水性ペンで、広告の裏白などに横書きした。
例えば、「あけまして おめでとう ございます」に始まり、小紙(高野山麓 橋本新聞)が取材に来たことを筆談で伝えると、会員からは「愛読していますよ」とか、「スマートホンでも読めますか」などと、すぐに署名入りで、文字によって返ってくる。
ほとんど話し声はなく、水性ペンが走る音だけの世界で、あとはそれを読んだ会員の反応と、それを見つめる会員のやさしい眼差し。見事に心が通い合って、テーブル上は、たちまち文字、文字、文字の洪水となっていく。その〝文字によるおしゃべり〟は約2時間に及んだ。
同会の松山隆至(たかし)企画部長(64)は「このように、私たちは仕事、趣味、行楽、家族のことなどについて、筆談で分かり合います。筆談は半端な会話よりも、正確に意志疎通ができますよ」とにっこり。
もともと同市内には、橋本市ボランティアサークル連絡協議会加盟の要約筆記サークルS・A・T(田中三津子会長)があり、紙芝居や寸劇などの模様を、パソコンを使った文字で同時伝達している。難聴者・中途失調者は、その催しに参加し、同筆談会は、そこを起点にして生まれたという。
橋本市に登録されている聴覚に障害のある人は約350人で、うち難聴者・中途失聴者は約300人、未登録の人は約1000人にのぼると推定されている。
梅川昌邦(まさくに)・副会長(70)は「私たちはいつも和気あいあいで、素晴らしい交流サークルです。だれでも気軽に、ぜひ、参加してください」と呼びかけている。
入会金は不要。参加予約も不要。年会費200円。問い合わせは平田光拡会長(FAX=0736・33・1240)へ。
写真(上、中、下)は和やかに行われた新春の筆談会の風景。


更新日:2014年1月6日 月曜日 00:01

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