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畑ごんぼ復活、梅の有機栽培…農林水産業賞を受賞

農林水産業の発展に貢献したとして、平成25年度「和歌山県農林水産業賞」に県内の11人、2団体が決まり、橋本・伊都地方では「地域づくり部門」で〝幻の畑ごんぼ〟を復活させた「プロムナード国城」の徳田勝治会長(68)=橋本市西畑=、「農業部門」で国内初の日本農林規格の認定を受けた有機農産物「柿」を栽培する「かつらぎ町有機栽培実践グループ」の木村義孝代表(64)=かつらぎ町広口=が、それぞれ受賞した。和歌山県伊都振興局の古田雅昭局長は「さらに農林業のリーダー役として活躍してください」と、受賞を讃えた。
徳田さんは平成18年(2006)、橋本市と橋本市衛生自治会が進める「生ゴミ堆肥で花咲かそう」(ゴミ減量化・花と緑のリサイクル)運動に連動、住民有志で「プロムナード国城」を結成した。
当時、国城山(標高522メートル)は、後継者難から耕作放棄地が増え、昔の炭焼き小屋も、江戸時代から栽培された〝畑ゴンボ〟作りも、途絶えていた。そこで、同会は国城山~紀ノ川・橋本高野橋の4キロ間で、菜の花や百日紅(さるすべり)などを植えて「国城山・花参道」を整備。
オーナー制で耕作放棄地に「畑ゴンボ遊び塾」を開校し、会員の指導で、大勢のオーナーの家族らが〝幻の畑ゴンボ〟を復活させ、畑コンボを使った「ゴンボあられ」も商品化した。
また、台風・豪雨で崩落した山腹の土を使って「炭焼き窯」を構築し、炭焼き技術の伝承と、間伐材の活用を図っている。その功績が認められ、「プロムナード国城」は団体として、すでに「わかやま環境大賞」を受賞している。
一方、木村さんは、平成11年(1999)設立の同グループでリーダーシップを発揮。有機農業の技術向上や後継者の育成に貢献。とくに平成12年に日本農林規格に「柿」が認証された後、「キウイフルーツ」「梅」「水稲」も相次いで認証された。現在は水稲を除く3品目の有機栽培に取り組み、個々の生産者では、特別栽培農産物認証や、エコファーマーの認定を受けている。
また、今年3月からは、同グループの梅(JAS認証)だけを使用した「梅酒」(有機砂糖、有機アルコール漬け、100パーセント有機素材)が、チョーヤ梅酒株式会社から発売されている。
仁坂吉伸・和歌山県知事は、受賞者に対し「日頃から創意工夫を重ね、農林水産業の振興や農山漁村の活性化に尽力され、敬意と感謝を表します」と祝辞。
徳田さんと木村さんは受賞後、伊都振興局を訪問。古田局長に対し徳田さんは「国城山周辺の活性化は、とくに都市部の方々の意見を取り入れながら進めたい」と話し、木村さんは「有機栽培は大変な作業ですが、しっかりチャレンジしていきたい」と語った。
他の受賞団体・受賞者は次の皆さん。
「農業部門」=赤井重子(岩出市)、岩本直子(みなべ町)、竹中一善(広川町)、山崎茂樹(日高川町)、山名和章(紀ノ川市)、横山行雄(紀美野町)。「林業部門」=榎本秀夫(田辺市)。「水産業部門」=尾藤勝徳(有田市)、前田豊温(美浜町)。「地域づくり部門」=海南市生活研究グループ連合会(海南市)、串本さつまいも会(串本町)。
写真(上)は「和歌山県農林水産業賞」を受賞した徳田会長(右)と木村代表(左)=中央は受賞を讃える和歌山県伊都振興局の古田局長。写真(中)は国城山中腹での畑ごんぼ収穫の風景。写真(下)は有機栽培の研修でマイクで話す木村代表。


更新日:2013年12月4日 水曜日 02:23

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