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子供らに郷土料理を伝承~松井さんに農林水産業賞
農産物の地産地消や、食文化の伝承に貢献したとして、和歌山県橋本市向副の元同市生活研究グループ連絡協議会長・松井カヨ子(まつい・かよこ)さん(71)=が、仁坂吉伸(にさか・よしのぶ)知事から和歌山県農林水産業賞(地域部門)を受賞した。個人で同賞をただ1人受賞した松井さんは、「橋本地方には素敵な農産物、貴重な郷土料理がいっぱいあり、今後も子供たちを通じて伝承していきたい」と語った。
松井さんは昭和36年(1961)に県立粉河高校を卒業。19歳で結婚後、嫁ぎ先で農業に従事し、柿、米、野菜、菊などを栽培。59年に同生活研究グループ連絡協議会に加入。これまで、学文路地区公民館で、郷土料理教室「いとうまし」を開き、講師として食文化を伝承。市内の小学校では、柿の葉寿司、味噌、ごま豆腐、いのこ餅作りなど、古里に伝わる料理を教えてきた。
松井さんは、知事表彰を受けた後、橋本市の伊都振興局に、中林憲一(なかばやし・けんいち)地域振興部長を表敬訪問し、県、市職員と懇談。その中で、すでに郷土の〝幻の畑ごんぼ〟を復活させ、農林水産業賞を(地域づくり部門)を受賞した「プロムナード国城」=徳田勝治(とくだ・かつじ)会長=や、高野山・金剛峯寺に〝雑事のぼり〟を再現して、畑ごんぼを奉納した農事組合法人「くにぎ広場・農産物直売交流施設組合」の素和治男(そわ・はるお)理事らの活躍ぶりが話題に上がった。
松井さんは「徳田さんらが、郷土活性化を目指し、国城山に〝菜の花ロード〟作りを始めたことから、大いに地域が盛り上がり、私たちも力強いパワーをいただきました」と説明。「これからも皆さんと協力して、地産地消を推し進め、子供たちには、塩分控えめな健康的で、橋本でしか味わえない、沢山の郷土料理を伝えていきたい」と誓っていた。
写真(上、下)は公民館や小学校で郷土料理を伝承する松井さん。写真(中)は中林部長=右手前=らと懇談する松井さん=左手前。