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高野山・奥の院~ろうそく10万本灯す~先祖供養

世界遺産・高野山奥の院(和歌山県高野町)で、お盆の8月13日夜、ご先祖や無縁仏を供養する恒例の「ろうそくまつり」(万灯供養会)が営まれ、大勢の参拝者が10万本のろうそくをともし、家族や人々の幸せに感謝、ご先祖や無縁仏の冥福を祈った。
同まつり実行委員会が主催、高野町青少年団体連絡協議会が共催。まつりの舞台は、奥ノ院・一の橋から弘法大師・御廟(ごびょう)間の約2キロの参道。古い石畳が続き、沿道は千年杉の木立におおわれ、庶民や戦国大名の無数の墓石群が建っている。
金剛峯寺の僧侶が、先ず、約1000年間燃え続けているとされる、奥の院・灯籠堂の火をいただき、ろうそくに移す。参拝者は無料配布された計10万本のろうそくに手囲いしながら火を移し、参道脇の燭台に立てて、静かに目をつむり合掌する。
奥ノ院の英霊殿前では、ろうそく灯りで「和」(なごみ)の文字を描く〝祈心灯(きしんとう)〟の行事が行われ、参拝者らは2個500円で買ったろうそくを立てると、和歌山の「和」、和やかな「和」の文字が浮かび上がり、参拝者は盛んに携帯電話などのカメラで撮影していた。
また、今夏は祭典に先立ち、一の橋付近で「ろうそくまつり40周年記念コンサート」を開催。竹弦囃子(ちくげんばやし=横笛・山田路子さん、ギター・愛川聡さん)が演奏し、美しい音色が参拝者を魅了した。
奥の院参道は今夏、ゆかた姿の子どもや若い女性たち、外国人の家族連れが目立ち、車いすの高齢者がろうそくに火をともす姿も見られた。
ある女性・参拝者は「弘法大師・空海は、今も入定(にゅうじょう)され、私たちには〝同行二人〟の存在であり、心が癒されます。とくに真言密教に関係する私たちは、いつまでも、この聖域を大切にしなければ、罰があたります」と話していた。
写真(上)はろうそくに灯をともす子どもたち。写真(中)は「和」の文字を浮かび上がらせた祈心灯。写真(下)は横笛&ギター演奏を披露する竹弦囃子の山田さんと愛川さん=フォトライター・北森久雄さん撮影。


更新日:2013年8月13日 火曜日 21:48

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