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日本の四季感じてね〜岩橋さん児童らに俳句指導

和歌山県橋本市学文路の学文路苅萱堂(かむろかるかやどう)顧問で俳人の岩橋哲也さんは、同市内の小学校で「伝統俳句の作り方」を指導、児童の情緒教育に貢献している。岩橋さんは「日本列島は四季豊かで、世界最短詩といわれる俳句がある。子供たちには、しっかり郷土の自然を詠ってほしい」と言っている。
岩橋さんは7月8日、市立学文路小学校で、5年生17人、6年生23人の計40人を対象に、約2時間、伝統俳句の基礎知識を教えた。
この日、岩橋さんは、すでに児童全員に提出してもらっていた俳句作品を持参。一人ひとりの作品を読み上げ、それに朱筆を加えて、「私ならこう詠みます」と、わかりやすく話した。
初めに「俳句作りの約束ごと」として、「五七五でリズム感があるように」「句の中に季語を必ずいれる」「途中で句を切る切字(きれじ)を入れリズムを生み出す」というルールを説明。「心得」として「言葉を省略する」「目の前のことを言葉で写生する」「説明にならないように表現する」などのポイントを教えた。
そのうえで例えば、5年生の女子児童が「川のそばほたるの光かがやくよ」と詠んだのを、岩橋さんは「川のそばほたるの光流れてる」と添削して発表。
5年生男子児童の「夏だけに花火うちあげたのしけり」の句は「大空に花火打ち上げみんなの顔」に修正。6年生の男子児童が詠んだ「夏の夜空星だらけ川蛍」は「空に星川に蛍や夏の夜」と変えて発表。その添削理由を話した。
岩橋さんは「添削後の俳句も、季語が重なっていたり、説明になっていたりしていますが、今は、郷土の自然をしっかり感じ、作句を楽しむことが肝要。子供たちの作品には、無理に手を入れず、なるべくそのまま生かしました」と話した。
森下英男校長は「地元在住の俳句の先生に、直接教えてもらえて、ありがたいです。子供たちが俳句に親しみをもってくれれば…」と、将来に期待していた。
岩橋さんは橋本市内の学文路、清水、高野口、隅田の各小学校で計16回にわたり俳句指導を続け、学文路小学校では5回目となる。
一方、〝学問の神様〟と尊崇される菅原道真公を祀る学文路(かむろ)天満宮には「天神俳句」の題で投句箱を設けて作品を募集。岩橋さんが秀句9句を選び、天満宮に掲示している。
また、〝学文路苅萱堂〟では平安時代の父子の哀話「石童丸」物語について、参拝・観光客に説明。かつてここを訪ねた俳聖・松尾芭蕉のことなども語り継いでいる。
写真(上)は岩橋さんから伝統俳句の作り方を教えてもらう学文路小学校の児童たち。写真(中)はやさしく俳句指導する岩橋さん。写真(下)は岩橋さんから俳句作りを学ぶ児童たち。


更新日:2013年7月8日 月曜日 15:47

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