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慈尊院・大師堂の修復完了〜石畳・参道も敷設

2015年の高野山開創1200年記念大法会に向けて、〝平成の大修理〟が行われている和歌山県九度山町の世界遺産・女人高野別格本山「慈尊院」で、多宝塔に続き、大師堂の屋根と参道敷設工事が完成した。今後、弘法大師の御母公を祀る弥勒堂(みろくどう=重要文化財)の檜皮葺(ひわだぶき)屋根も葺き替える予定で、安念清邦住職は「多くの篤信者のお陰で、修復工事は、つつがなく進んでいます」と喜んでいる。
この大師堂は、四国88か所のご本尊(高さ約33センチの木彫)を祀っていて、足腰の痛みや病弱などで、長旅や巡拝のできない人々が、1か所ですべてのご本尊を参拝できるようにした。
今回、大師堂の方形造りの屋根と、それを支える垂木、宝珠などを新しくして修復。宝珠は夏の空で金色に輝いている。また、山門から多宝塔や大師堂な通じる境内には、石畳や玉砂利の美しい参道を敷設した。
すでに、多宝塔(県文化財)の修復工事は完成済みで、今回の大師堂に続き、本尊・木造弥勒仏坐像(国宝)を祀る弥勒堂の桧皮(ひわだ)屋根を吹き替える予定。同院では大師堂の灯籠、桧皮屋根の寄進を呼び掛けている。
同院は弘法大師が816年、高野山の表玄関として創建。弘法大師を香川・善通寺から訪ねてきた御母公は、女人禁制のため大師に会えず、同院に迎えられたが、翌年83歳で死去。同院の弥勒堂に祀られている。
御母公が弥勒仏を崇拝していたので、大師は弥勒堂を建造。「慈尊」とは「弥勒菩薩」の別名なので、慈尊院と呼ばれている。
安念住職は「これまで多宝塔も大師堂も、工事のためシートで覆われていましたが、今はすべて取り除かれ、本来の景観に戻りました。どうぞ気持ちよく、ご参拝ください」と言っている。
写真(上)は屋根を中心に修復工事を終えた慈尊院の大師堂。写真(中)は金色に輝く大師堂の宝珠。写真(下)は慈尊院・山門から多宝塔に続く石畳・参道。


更新日:2013年7月7日 日曜日 09:24

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