ニュース & 話題
〝ダルマ画〟寄贈1000枚…渋田・元橋本署長(72)
和歌山県の紀北地方で〝ダルマ画の達人〟として名高い和歌山県警橋本署や海南署の署長を歴任した渋田忠三さん(72)=同県岩出市在住=は、県警退官後もダルマ画の制作を続けていて、これまでに県内の各種団体や個人に贈呈したダルマ画は1000枚以上にのぼる。渋田さんは「皆さんがとても喜んでくれるので、今後も制作・寄贈を続けたい」と張り切っている。
渋田さんの〝ダルマ画師〟としての雅号は「渋田法眼忠龍」。和歌山県警では橋本署次長(平成元年~同3年)や同署長(同8~9年)、海南署長(同11~12年)などを歴任。平成13年、県警本部警備部参事官で定年退官した。
渋田さんは、約30年前の県警本部・警備課時代、「自らの心を落ち着かせたい」と思っていた時、たまたま新聞広告で「日本宗教画法学院 日本禅画家協会」の入会募集を見て入会。1年間のダルマ画の通信教育を受けた。その後は連日、ダルマ画を描き続け、作品は橋本・伊都地方なら、橋本商工会議所、橋本中学校、特別養護老人ホーム「ひかり苑」、温泉・宿泊施設「ゆの里」、さらに各分野のボランティア活動、郷土に貢献している人たちに、まるで〝拍手喝采〟でもするように、寄贈してきた。
作品は10数本の墨筆と、手触りのいい和紙を使い、必ずダルマ画を力強く描き、余白には「ころがせ 転がせ また角がある」や「知足(和同開珎の足るを知る)」、「看脚下(脚下を看よ)」、「泳ぎもせず 漕ぎもしないで 一生を終わるな」などの、禅の言葉を添えた。しかも、自ら表装し、額に入れ、掛け軸にし。さらに自分の年賀状や、警察署から贈る感謝状にも、ダルマ画を入れた。
橋本市民からは「あちこちで渋田さんのダルマ絵に出会い心打たれる」とか、「朝夕、ダルマさんに〝まだ角がある〟と叱られている」などの声が聞かれ、歳月が経てば経つほど、ダルマ画の真価も上がり、それぞれの場所で重宝されている。
渋田さんは「ダルマ画は死ぬまで描き続けたい」と断言。「大好きな金剛、葛城登山や囲碁も楽しみたい」と語った。
写真(上)はダルマ絵を制作する渋田さん。写真(中、下)は自宅に飾られたダルマ絵の作品と渋田さん。