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名物〝畑ごんぼ〟育て!~井関農機が新鋭機で協働

江戸~昭和初期の名産品〝畑ごんぼ〟を復活させた国城山(和歌山県橋本市西畑)中腹の畑で、4月4日、井関農機株式会社と地元の〝くにぎ広場・農産物直売交流施設組合〟の初の協働活動による「休耕地耕作・畑ごんぼ栽培」が行われた。これは県の〝企業のふるさと制度〟を活用した、農業に関心の深い企業によるCSR(社会貢献)の一環で、後継者難により荒廃する農村地域を、活性化させようという取り組み。井関農機(本社・東京)営業本部の大込敏夫副本部長は「当社の農業機械を使い、手際よく〝畑ごんぼ〟の生産・流通の促進を図りたい」と強調。岡本進組合長は「誠にありがたい。平成27年までに大型農道がつくので、農産物栽培の拡大と販路を築きたい」と誓った。
すでに井関農機、同施設組合、橋本市、県の4社は先月、知事室で〝企業のふるさと〟覚書に調印。この日、国城山(標高522メートル)中腹の段々畑2枚(約1000平方メートル)に、井関農機関係者5人、同施設組合の約30人、県・市関係者約10人、市議3人が集合。トラクターや畦立て管理機、溝切り機など新鋭農業機械を揃えた。
地元で植樹活動などに取り組んでいる〝プロムナード国城〟の素和治男さんの司会で開始式があり、大込・副本部長が「農業をする人が減り、耕作放棄地が増える中、素晴らしい〝畑ごんぼ〟作りは日本、世界に発信できる可能性があり、タカノツメなども一緒に栽培すればいいと思います。そうすれば、やがて若者も増え、地域が活性化すると思います。私たちも精一杯、力になりたい」と挨拶した。
岡本組合長は「この取り組みは、2月に和歌山県から説明があり、3月には覚書調印と、とんとん拍子に話が進みました。地域活性化に向けて、県・市、井関農機さんのご指導、ご鞭撻をお願いします」と謝辞を述べ、橋本市の清原雅代・副市長は「井関農機さんの支援で、約5年前に復活した〝畑ごんぼ〟の゜産地化に大きく弾みがつきます」と、木下善之市長のメッセージを代読した。
〝畑ごんぼ〟は江戸時代から昭和初期にかけて、この西畑地区で栽培され、紀ノ川を舟で運び、さらに海路、京阪神方面へ出荷していた。その〝幻の畑ごんぼ〟は、古里起こしに立ち上がった地元住民の底力により、約5年前に復活している。
この日の作業に選ばれた2枚の畑は、もともと草ぼうぼうの荒地だったが、すでに井関農機のオペレーターが機械でならし、肥料をまいて土壌を調整。さらに機械で排水用の切れ目を入れ、約9000粒の〝畑ごんぼ〟の種を埋め込んだ糸状のテープを長々と畑に置いて、土をかぶせた。このテープは自然に腐敗するので、普通の種まきをしたのと同じように、根付くことになる。
県農林水産部・経営支援課の西本昌未・農地活用班長は「ここでは省力化と生産拡大で直販することが大切です。それは同時に鳥獣害、病害虫駆除、景観保全、地域活性化につながります。ここにある井関農機さんの農業機械は、すべて新しいものばかり。それからも協働精神が中途半端でないことがわかります」と説明した。
同施設組合では、わかやま国体開催の平成27年までに完成予定の、国城山中腹を走る大型農道(紀ノ川・橋本高野橋~九度山町経由~紀の川市)わきに〝農産物販売・農家レストラン・加工体験・観光交流センター〟を新設。ここで〝畑ごんぼ〟柿、加工食品を販売する予定。すでにその前段の〝試行店〟として、同市南馬場にテント張りの直販店を設置。土曜、日曜、祝日に営業している。
岡本組合長は「郷土の耕作放棄地を、井関農機さんの支援により、何としても生かしたい」と話し、大込・副本部長は「私たちも全力で応援します」と約束していた。
写真(上)は〝畑ごんぼ〟作りに取り組む井関農機株式会社の社員と〝くにぎ広場・農産物直売交流施設組合〟の人たち。写真(中)〝畑ごんぼ〟栽培に井関農機の農業機械が大活躍。写真(下)は〝畑ごんぼ〟栽培の開始式で挨拶する岡本組合長。


更新日:2013年4月4日 木曜日 15:59

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