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心打つ高齢者の眼差し~写真40点いきいき展示

和歌山県の橋本市民大学「いきいき学園」写真クラブが主催する「第2回写真展」が、3月22日、橋本市教育文化会館4階で始った。部員(60~80歳代)の〝撮影力〟は、ここ数年で上達著しく、高齢者のやさしい眼差しから生まれた展示作品は、訪れる人たちを魅了している。24日(日)まで。入場無料。
展示作品は、写真クラブ講師の大谷憲裕さんの「おいのり」や昨年夏、病没した部員の井上正資さん(享年74歳)の「楽しき休日」の各1点と、部員38人の計38点で、いずれもA3判サイズの額入り。
大谷さんの「おいのり」は、キリスト教系の幼稚園児たちが円陣となり、女性教諭とともに、静かに祈りを捧げている光景。同市民大学で中国・韓国語講師も務めた井上さんの「楽しき休日」は、大きな青空の下、万里の長城を歩く人々の明るい表情をとらえている。
また、部長の中本好子さんの「なかよし」は、河畔をよちよち歩きする幼い女の子と、その後によちよちと続く子ネコの愛らしさをパチリ。部員の下通子さんの「いこう」は、広々とした自然の中で、老夫婦が語り合う和やかさを、ゆったりと切り取っている。
同写真クラブは、5年前に発足。部員研修では、教室に全部員の作品(無記名)を張り出したうえ、部員同士で優秀作品を互選。その後、大谷さんの眼力で優秀作品を次々選ぶ。大谷さんがアングルやシャッターチャンスなど、各作品のどこが良くて、どこがいけないのかを、わかりやすく指摘。
中本さんは「もちろん指導内容は厳しいですが、皆さん和気あいあいで、とても楽しいです。私は写真歴わずか2年ですが、もっといい写真を撮りたいと頑張っています」と明るく笑う。
もう一人の講師であり、副部長の中本義則さんは、「皆さん、すでに写真撮影の基本をマスターされています。ほんとうに素晴らしい写真が撮れるかどうか。それはこれからの精進次第ですね」と語り、「写真クラブは5年前に発足。平成30年には発足10周年になります。皆さんと協議のうえ、10周年記念の写真集を出版し、部員の自慢作を紹介したいと考えています」と語った。
〔写真展の作品一覧 敬称略〕
講師 大谷憲裕「おいのり」 会員 安西幸雄「幸せいっぱい」 伊藤勲「夜外ライブ」 伊藤幸子「舟屋」 小野香代子「蓮花」 北森久雄「好投」 木村和代「ふれあい」 桑原耕作「おねだり」 桑原佐智子「雪どけ」 作田聖三「好奇心」 下通子「いこう」 杉村徹治「期待」 高田祥子「つかのまの虹」
武美樹子「造形」 田辺逸子「騒雨」 辻上嬉代美「雪けむり?」 寺本美代子「誘う夕日」 仲田千鶴子「宇宙遊泳」 永野光治「遊戯」 中本好子「なかよし」 中本義則「初夏に咲く」 中山信夫「わらべ地蔵」 西本キヨ子「SOS」 丹生勝子「初夏の礼文」 畑下美江「裏方」 濱田千賀子「配線」 林民子「客待ち」 樋垣和子「フォルム」 福本泰久「未来への誘い」 前沢孝征「船出」 松山幸子「なにみてるの」 道浦令一「ブルー」 宮野彰「初夏」 森脇稔「願い」 山口隆子「影」 山戸正信「アルハンブラ宮殿」 山本弘「小休止」 吉原光彦「二態」 米岡正夫「古道の主」 遺作 井上正資「楽しき休日」
写真展の開催時間は22日は午前9~午後6時、23日(土)は午前9~午後5時、24日(日)は午前9~午後4時。
写真(上)開幕した橋本市民大学いきいき学園「写真クラブ」の写真展。写真(中)は講師・大谷さんの作品「おいのり」。写真(下)は開幕前日、会場に写真掲示を終え、5年後の写真集出版などについて話し合うクラブ員たち。


更新日:2013年3月22日 金曜日 12:58

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