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円空の〝立体仏〟高野霊木で制作~円空展で販売

和歌山県橋本市隅田町の大弥工芸(奥村浩章社長)は、一枚の薄板を本のように開くと、名僧・円空(1632~95)作の矜羯羅(こんがら)童子像が現れる高野霊木製〝立体仏〟を制作した。1月12日(土)~4月7日(日)、東京国立博物館140周年特別展「飛騨の円空~先光寺とその周辺の足跡~」が開かれる同博物館で、記念の土産物として販売される。
この特別展は同博物館や千光寺、読売新聞社、NHKなどが主催。円空は生涯、諸国の霊山の木々を使い、ノミによる荒削りの仏像12万体を彫ったといわれ、展覧会では、「両面宿儺坐像(りょうめんすくなざぞう)」など、岐阜・千光寺所蔵の円空仏61体を中心に岐阜県高山市所在の100体を展示するという。
大弥工芸が制作した高野霊木製〝立体仏〟は、紙のような杉の薄板(縦横各20センチ)の中央に、切り絵のように矜羯羅童子像をくり抜き、縦に二つ折りにしている。これに朱色の紙をあてがい、本のように開くと、円空の花押(かおう)のそばに、矜羯羅童子像が浮き出る仕組み。
同工芸は、このほかにも高野霊木を素材に、握ると健康にいいという卵形の〝にぎり仏〟や、仏像の絵入り〝散華のしおり〟、観音菩薩や不動明王などの小さな仏像(9種類)を制作。〝立体仏〟とともに同博物館に置くことになっている。
奥村社長は「全国唯一の〝薄板制作技術〟を生かし、精魂込めて〝立体仏〟を制作しました。この〝立体仏〟を飾り、いつまでも円空の素晴らしさを感じていただければ幸いです」と話した。
写真(上)は高野霊木製〝立体仏〟の円空像。写真(中)は〝立体仏〟に入れた円空の花押。写真(下)は高野霊木製〝立体仏〟。


更新日:2013年1月9日 水曜日 10:09

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