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国城山にヤギ2頭を放牧…雑草食べ景観保全
和歌山県橋本市西畑の国城山(標高552メートル)一帯で、自然環境づくりに取り組んでいる「プロムナード国城」(徳田勝治代表)は、9月25日、和歌山県から無償貸与されたヤギ2頭を、国城山中腹の柿山に放牧した。徳田代表は「ヤギが雑草を食べて、景観保全できれば、という初めての試みで、成功すれば将来〝ヤギ牧場〟にすることも…」と、夢を描いている。
この日、登場したヤギはペコ君と太陽君。いずれもオス6歳で、体長約1・6メートル、体重約80キロ。1日の食事(雑草)量は、畳の間で3畳分ぐらいになる。
プロムナード国城が橋本市を通じ〝ヤギ派遣〟を県に要望。県伊都振興局農地課は、ペコ君と太陽君を、県畜産試験場からトラックで搬送。地元農家所有の柿山(標高約170メートル、1000平方メートル)に放牧した。
徳田代表ら役員は、ヤギが野犬に襲われないように、柿畑を電気柵で囲ったうえ、立派な〝やぎのおうち〟を作って迎えた。
山斜面に放たれたペコ君と太陽君は、さっそく雑草をむしゃむしゃと食べ、ときたま空を見上げて、満足そうな表情。見物にきた地元の家族連れらは「かわいい」「おとなしい」と大喜びだった。
県伊都振興局農地課の小野浩一主査は「ヤギの放牧は、耕作放棄地の抑制策の一つで、橋本市内では初の取り組みです。草刈りの省力化、害虫除去、獣害抑制、景観保全など、素晴らしい働きをしてくれます」と説明。
徳田代表は「ヤギの放牧地は、私の家の目鼻先にあるので、しっかりヤギの世話をします。ヤギの食の威力が確認できれば、国城山・観光としても、大きな希望が持てます」と話した。
「プロムナード国城」は、生ごみ堆肥で国城山への植樹や花栽培、幻の畑ごんぼの復活、炭焼き窯構築と炭焼き伝承などに尽力。その功績が評価され、今年度、県の「わかやま環境大賞」を受賞している。
写真(上)は家族連れらが見上げる中、おいしそうに雑草を食べるヤギの太陽君。写真(中)は柿山に放牧され仲良く雑草を食べるヤギのペコ君(左)と太陽君。写真(中)はヤギのペコ君と太陽君のためにプロムナード国城の役員が構築した「やぎのおうち」。