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白槿咲いて緑陰ふかく…〝学びの森〟に夏本番
だれもが自由に遊べる〝河畔の楽園〟…、和歌山県橋本市向副の紀ノ川河川敷にある「ふるさと学びの森」で、今、白槿(しろむくげ)や黄槿(はまぼう)の花が咲いて、本格的な夏の訪れを見せている。
この森は、同市隅田町の医師で県自然保護監視員の田中治さん(85)が、市民有志らと協力して、約350種類の木々を植栽。四季折々、多種多様の花を咲かせ、実をつけて、森との共生を実感させている。
白槿(しろむくげ)の木は、森の入り口の左手にあり、真っ白い沢山の大輪の花が、瑞々しく開いていて、一方の黄槿(はまぼう)の木は、森に入って間もない右手にあり、淡黄色の数輪の花が、風に揺れている。いずれも、しっかりと枝葉に支えられ、青空の入道雲を背に咲いている。
森の中程には、ユリノキの大樹が、直径約10メートルもの緑陰をつくり、ここでは羽黒トンボが、ひらひらと飛びかったり、下草で休息をとったり。目をつむると足元からキリギリスが「キリギリス、チョン」と鳴きだし、木々からは「セミ、セミ、セミ」と、蝉の声が届いてくる。
さすがに、梅雨明けの、連日の暑さ。春秋にはよく見られる家族連れの姿も、今は少なく、森の中は、ただ自然の色彩と自然の声の世界を演出している。
妻の眸にうつしてみたし白槿
緑陰やさまざまの声身に享けて
(水津順風)
写真(上)は学びの森に咲いた白槿。写真(中)はユリノキの緑陰。写真(下)は入道雲の下に咲いた黄槿。
更新日:2012年7月26日 木曜日 19:13