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日本画「鬼灯塾展」開幕…山内さんと弟子8人の作

美人画の巨匠で日本美術院理事・中村貞以画伯(1900~1982)の愛弟子・山内清冶さん (和歌山県橋本市隅田町下兵庫)と、その弟子たち(女性画家)8人の作品を集めた「鬼灯塾展(ほおずきじゅくてん)」が、6月22日(金)、橋本市東家の橋本市教育文化会館4階で始まった。24日(日)まで。入場無料。
山内さんは昭和39年(1964)、橋本・伊都地方の絵描きを集めて「橋本絵画同好会」を旗揚げ。当初、10人だった会員は6~7倍に増え、実力者が育っている。自宅近くには「鬼灯庵」を設立し、日本画の「鬼灯塾」を主宰。毎月第1土曜日の午前10~12時、その真髄を指導している。
この日、会場正面には、山内さんの屏風絵「武者の鵺(ぬえ)退治」を展示。武者が鵺(頭はサル、体はタヌキ、尾はヘビ、脚はトラの姿)を、勇壮にしとめている姿は圧巻。
一方、弟子たちの作品は、計33点を展示。田中明美さんの作品「湯浴みの後で」(40号)は、長男の嫁が裸の孫を抱いている姿をほのぼのと描写。戸部己喜子さんの「すやすや」(10号)は、ふっくらとした手足のかわいい孫の寝姿を、まるで抱きしめるように写し取っている。岩城志津代さんの「牡丹」(60号)は、白く大きな花を、そのまま大胆に描き、堂々と浮かびあがらせている。
また、会場の一角には、珍しい〝うちわ絵〟のコーナーを設け、うちわ作品30枚を展示。うちわには、朝顔(あさがお)や紫陽花(あじさい)、干支(えと)の辰(たつ)などが、淡々と描かれていて、涼風が漂ってきそうな雰囲気。
山内さんは「皆さんは毎月1回、各自の作品を、鬼灯庵に持ち寄り、お茶会を開いて、楽しく勉強します。ご覧の通り、素敵な作品ばかりです」と、弟子たちを讃えていた。
出展者の皆さんと展示作品は次の通り▽山内清治(杖、静物、恭ちゃん)▽岩城志津代(護摩山タワー、紅花、静物、三宝柑、うさぎ)▽浦本暎子(もの思う頃Ⅱ、夏の風、蟻、妹からの贈物、旬、一粒栗、風に揺れ)▽田中明美(ひまわり、夏の出会い、うたかたの想い、ルビー色の香気)▽戸部己喜子(アラジン、何のお話し、龍)▽板東壽々子(ほほえみたいわ、花りんご、真夏からのおくり物)▽前田圭恵(昼下り、おはよう、お散歩)▽野口知加子(禽)。
「鬼灯塾展」は3年前に続き、2回目の展覧会。現在、「橋本絵画同好会展」と同時開催している。
写真(上)は山内さんの「武士の鵺退治」の屏風絵。写真(中)は戸部己喜子さんの作品「すやすや」。写真(下)は涼風が漂う〝うちわ絵〟コーナー。


更新日:2012年6月23日 土曜日 00:05

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