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地蔵座像や西行お旅姿を展示…橋本市郷土資料館

平安末期の歌人・西行法師がとどまった地と伝えられている、和歌山県橋本市清水の「西行庵」の本尊・地蔵菩薩や、西行法師像など40体(木彫)が、同市御幸辻の橋本市郷土資料館で展示されている。有澤斗志夫館長は「とくに地蔵菩薩像は珍しく座像で、西行像もそのままの旅のお姿をしています。ぜひ、ご覧ください」と言っている。今年末まで展示予定。入場無料。
「西行庵」の所在地は、市立清水小学校の北側を通る旧高野街道わきで、江戸時代の紀伊名所図会では「地蔵堂」と呼ばれている。同庵の東側に「国城の里 観音霊場巡拝 六番札所」と掲示して、石の地蔵尊が祀られている。
今回、ここにあった建物(西行庵)が老朽化したため、建て替え工事が行われ、収蔵されていた本尊・地蔵菩薩像など40体を、同資料館で保管することになった。資料館は「いずれも立派な仏像であり、保管するだけではもったいない」と考え、「この機会に見ていただこう」と展示したと言う。
本尊・地蔵菩薩像は、右手に錫杖(しゃくじょう)、左手に宝珠(ほうじゅ)を持って座っている。西行像も座像で、旅の荷物を背負っていて、石の上で休息しているような格好。このほか仏像5体と、千手観音と十一面観音像33体が、ほとんど損傷なく、並べられている。
同資料館は広大な森と池の「杉村公園」の中にあるうえ、郷土の宝物(ほうもつ)が多く展示され、市内だけでなく近府県からも、大勢の観光客が訪れる。有澤館長は「先日も、大阪府内から来た小学生が、誰も言わないのに、仏像に向って、静に手を合わせているのです。かわいいですね」と喜んでいた。
同資料館の会館時間は午前4~午後5時(入館は4時半まで)。休館は月曜と祝日の翌日。
写真(上)は橋本市郷土資料館に展示されている西行庵の本尊・地蔵菩薩座像や千手、十一面観音像など。写真(中)は西行庵の本尊・地蔵菩薩座像。写真(下)は西行法師像〝お旅姿〟。


更新日:2012年6月6日 水曜日 07:55

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