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高野口駅〝手作り座布団〟で温かく~清水さん贈る
和歌山県橋本市高野口町名倉1087の清水禎子さん(80)は、2月1日、地元のJR和歌山線・高野口駅(無人)に、手作り座布団21枚を贈った。この〝座布団奉仕〟は約20年続けられ、とくに冬場は、乗降客から喜ばれている。
清水さんは更生委員や高野口町城跡老人会長など様々なボランティア団体に参加。約30年前から人権委員として働き、全国に出向いた際、いろんな国鉄駅(当時)、私鉄駅で座布団のある駅、清掃の行き届いた駅、生け花を飾った駅などの、気持ちよさを感じてきた。
そこで、約20年前、郷土の高野口駅も「素敵な駅にしたい」と決意。家にあった自身の着物を片っ端からほどいて、綿を入れ、手縫いで座布団を作り、約20枚を贈った。以来、毎年1月には、駅舎とプラットホームの椅子で、古い座布団と、新しい座布団を取り替え、これまでに贈った座布団の総数は約400にのぼる。
同町は全国一の織物の町だけに、座布団の材料は、自分の着物がなくなると、パイル織物やシール、サテンなどの〝在庫処分物〟を買い込んで使用。その購入費は、パーマ代、化粧品代を節約してつくったという。
また、清水さんは〝座布団奉仕〟だけでなく、駅の花壇の水やり、清掃奉仕なども行い、2001年には公益社団法人「小さな親切」運動本部(東京)から、小さな親切実行章を受けている。
清水さんは「様々なボランティア活動をしているので、座布団作りは午前1時半ごろまでかかります。座布団を破いたり、投げたりする心無い人もいますが、郷土の駅の環境を守りたいので、座布団作りなどは今後も続けます」と話した。
写真(上)は自宅から手作り座布団を徒歩で運ぶ清水さん。写真(中)は高野口駅の駅舎内の椅子に手作り座布団を敷く清水さん。写真(下)は美しく温かく敷かれた清水さんの手作り座布団。