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〝幸せのフクロウ〟母校に贈る~障害克服・松岡さん
小児マヒで手足に障害の残る和歌山県橋本市高野口町の松岡カオルさん(69)が、夫の要三さん(80)とともに12月9日、カオルさんの母校である市立橋本中学校(小林俊治校長)を訪れ、手作りの〝幸せのクロウ〟の縫いぐるみと、1年間5円玉を貼り続けた「カレンダー募金」をプレゼント。同校生徒会(田中拓良会長)が全校生を代表して受け取った。
フクロウは、高さ約4センチで布製。全身に布模様かあり、目がまん丸くてかわいい。高さ約40センチの木の枝に18匹を止まらせている。「カレンダー募金」には、日付ごとに5円玉1枚ずつ貼り付け、その日その日の思いを記している。
この日、松岡さん夫婦が同校玄関に到着すると、生徒会役員6人が出迎え、全員で力を合わせて、カオルさんを車イスに乗せたまま、2階の校長室まで運んだ。
カオルさんは1962年(昭和37)、同校を卒業後、地元で32年間、縫製の仕事をしてきた。「手足が不自由な私に、橋本中学校の先生が〝自立するには技術を身につけなさい〟と指導してくれた。今も付き合っている同級生が、支えてくれました」と説明。
「今の幸せは、そのお陰です。感謝の気持ちを伝えたくて、〝幸せのフクロウ〟を持参しました」と話し、生徒会役員に〝幸せのふくろう〟と〝カレンダー募金〟を手渡した。
田中・生徒会長は、松岡さんに「ありがとうございます。松岡さんのお気持ちは、在校生や後輩たちに伝えます」と頭を下げ、小林校長は「幸せのフクロウを大切にし、学校に飾らせていただきます」と謝辞を述べた。
カオルさんは2003年(平成15)から、縫製の技術を生かして、要三さんに手伝ってもらいながら〝幸せのフクロウ〟作りをはじめ、毎年、福祉施設などに〝カレンダー募金〟とともにプレゼントしてきた。
この日、公益社団法人「小さな親切」運動本部(東京=田中義具代表)から、松岡さん夫婦にその「実行章」が贈られ、小林校長が伝達した。