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大松明を焚き豊作祈る~花園、平安情緒ほうふつ

和歌山県かつらぎ町花園梁瀬の〝花園郷土古典芸能保存会〟(中初次会長)は、昨年の大晦日の夜、平安時代から地元の下花園神社に伝わる古典行事「花園の大松明(たいまつ)押し」(県無形民俗文化財)を行い、壬辰(みずのえたつ)・新春をすがすがしく迎えた。
この行事は、地元の遍照寺に伝わる伝統芸能「御田の舞」(県無形民俗文化財)との関連行事。御田の舞の主人公「鬼」の役決めの際、郷土の人々に参集してもらうとともに、この1年間の厄除けと、五穀豊穣を祈って、大松明を焚いたといわれる。
この日、保存会の約30人が集まり、点火した大松明に人を乗せて担ぎ上げ、音頭取りの囃子に乗って、どんど焼きの周囲を威勢よく3周した。大松明を真っ直ぐ立て、めらめらと夜空を照らした後、焚き火の中へ入れた。
会員らはその火を小松明に移し、遍照寺の除夜の鐘を合図に、一列になって出発。「祝え」「祝え」と唱え、小松明を振りながら階段を降り、元気よく家路についた。人々はこの火を神棚や仏壇に移したり、雑煮を炊いたりして、新春を迎えた。
中会長は「御田の舞は2年に1回、大松明押しは毎年1回、催しています。素晴らしい伝統行事なので、今年末には、ぜひ見物に…」と話していた。
写真(上)は大松明(中)は大松明を担ぐ若者たち(下)は小松明を持ち家路につく人たち=撮影はフォトライター・北森久雄さん


更新日:2012年1月1日 日曜日 20:50

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