ニュース & 話題
完璧!国城山系の炭焼き窯~児童体験や里山保全へ
炭焼き技術の伝承や里山保全、雑木活用を目指し、和歌山県橋本市西畑の国城山中腹に構築した「炭焼き窯」の最終点検が、森林指導員の中西祺周(よしちか)さんや、地元住民によって行われ、完璧な炭焼き窯であることが確認された。〝プロムナード国城〟の徳田勝治代表は「今後、児童生徒の炭焼き体験や、炭の販売など地域活性化に生かしたい」と張り切っている。
「炭焼き窯」は地元の粘土質の土で構築され、高さ約1メートル余、長さ約2・5メートル、幅約2メートルの大きさで、これは業務用と趣味用の、ちょうど中間の規模という。11月下旬に構築した後、雑木やスギ、ヒノキを入れ、火入れを行った。
これは、窯の完成度を試みるための、初の炭焼き実験で、12月1日には、雑木類が燃え盛る窯の焚口や、煙突の口を泥でふさいだ。数日後に中西さんや徳田さんら約20人が集合。中西さんが、火の消えた窯の中に入り、点検したところ、窯のひび割れなどはまったく見られず、天井が崩壊するなどの心配もないことがわかった。
中西さんの指導で、とりあえず約半分の炭を出し、灰については「何の混じりけもない純粋の灰である」という、中西さんのご託宣で、ビニール袋に詰めて保管。将来、料理などに活用する考え。〝プロムナード国城〟では、次回からは、本格的な炭焼きを始めるので、すでにクヌギの丸太を長さ約80センチに切りそろえて近くに集積。まき割り方法を思案中だ。
徳田代表は「国城山系は、昔は〝炭焼き名人〟が大勢いたが、今は1人も残っていない。今はエネルギー問題が叫ばれているので、できれば小中学校の児童生徒たちに、炭焼き体験をしてもらい、炭焼きの素晴らしさをと、その技術を伝承していきたい。休耕地の雑木を切り出して、里山を守りながら、焼きあがった炭は、地元に直産市場を設けて、販売したい」と話した。