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迫真の〝振り込め詐欺〟寸劇~高齢者ドッキリ勉強
〝振り込め詐欺〟が横行する歳末シーズンをひかえて、和歌山県警・橋本署と橋本市は11月24日、橋本市教育文化会館で、高齢者の勉強サークル「福寿教室」の人たちに〝振り込め詐欺の寸劇〟を披露し、わかりやすく注意を呼びかけた。
寸劇のシナリオは、橋本署・橋本駅前交番所の岩戸誠也所長(警部補)と、橋本市市民安全課の大岡久子協働・消費生活係長が制作。配役は〝お婆さん〟に大岡係長、〝犯人〟A、Bに橋本市市民安全課の岡一行主任、〝おじさん〟に橋本駅前交番所の森岡晃司所員(巡査長)が扮し、ナレーターを岩戸所長が務めた。
先ず、岩戸所長が「きょうは振り込め詐欺の中でも、医療費や税金が戻ってくるというウソの話に乗せられ、ATM(預金支払機)で、高額のお金を騙し取られる〝還付金詐欺〟と呼ばれる実例をもとに、寸劇を披露します」と切り出した。
この後、寸劇を開始。犯人Aは市役所職員を装い、携帯電話でお婆さんに「あなたの医療費控除金39800円が戻ります」と言葉巧みにATMに呼び出したうえ、架空の社会保険事務局に電話させる。
社会保険事務局員を装う犯人Bは、お婆さんにATMの画面の数字(残高)を右から読ませたり、わからないように振込先口座番号を入力させたり…。最後にお婆さんが230万6666円を振り込む寸前、後ろで順番待ちのおじさんが、「振り込め詐欺だ」と直感。お婆さんを無事、被害から救った。
犯人、お婆さん、おじさん役の3人の迫真の演技に、見物した13人のお年寄りは大喜びで、大きな拍手を送り、「危ないところやった」「わたしやったら、だまされてるわ」などと口々に話し合う。
岩戸所長は「振り込め詐欺は、もとは〝オレオレ詐欺〟だったが、最近は、先ず医療費や税金が戻ると喜ばせておいて、公務員になりすまし、残高の数字を逆さまに読ませたり、わからないように振込先をインプットさせたりして、1件当たり平均100万円、多いときは500万円を騙し取る〝還付金詐欺〟が横行しています。12月15日は年金振込み日ですし、年末年始はとくに危険ですから、注意してください」と強調した。
岩戸所長と大岡係長は「被害に遭わないようにと、懸命にストーリーを考えました。要請があれば時間の許す限り、寸劇を演じたいと思います」と話した。
今年の和歌山県内の振り込め詐欺被害(10月末現在)は、26件2182万7828円にのぼっている。不審者情報などは橋本署(0736・33・0110)へ。