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紀北文芸誌「まんげつ」222号刊行~参加いかが
和歌山県の橋本・伊都地方の文芸を愛する人たちが、春夏秋冬、自分たちの作品を発表する文芸誌が、1968年(昭和43)創刊当時から、途中の2年余を除いて今も刊行され、文芸ファンに親しまれている。会員の俳句や短歌、エッセーなどの作品を紹介する紀北地方文芸誌「まんげつ」で、岡本隆夫会長は「中身は素晴らしいのですが、会員の平均年齢はすでに75歳。ぜひ、若い人たちの入会、投稿をお願いしたい」と言っている。
同誌はA5判、約60ページで、毎年1、3、7、10月の4回発行。10月1日には第222号を数えた。当初、5、6人でスタートした文芸活動が、今では会員約90人に増え、これまで小説、エッセー、詩、俳句、短歌、川柳、雑文、絵手紙などを掲載。その一方、地元や近郊の史跡、名勝地を散策したり、郷土の文化活動に参加したりしてきた。
「まんげつ」第222号を見ると、紫色の表紙には、鉛筆やノート、携帯電話などが置かれた机上のスケッチ(画家・鈴木源二さん筆)で飾られ、鈴木さんが「表紙のことば」として、「何気ない、あたり前の生活が何とありがたく、幸せな事であろうかと、しみじみと身にしみる今日この頃である。あたり前の事ってひとつもなかったんだと改めて思い知らされる。知り合いを次々と見送り、ふと、余生を数えている。一日一日を大切に、感謝しながら生きたいと思う」と綴っている。
1ページには「隅田八幡神社の人物画像鏡記念碑」のタイトルで、この古鏡のレプリカの写真と解説文(郷土史家・北尾清一著「歴史を歩く」より)を紹介。次に「巻頭言」として、岡本会長が〝長寿〟について執筆。また、「山陰へ(余部新橋梁から赤名峠へ)」(井上寿夫さん)、「老いらくの恋」(田中治さん)、「忘れ得ぬ師 松岡英之介先生」(岡田新八郎さん)など、そうそうたる面々の、紀行文やエッセー、感想文を紹介している。
「まんげつ俳壇」のページには、秋田美子さん、岩橋蘇風さん、喜治満子さん、黒田ツヤ子さん、芝満子さん、森本一郎さん、「まんげつ柳壇」のページには、井西康郎さん、岩橋哲也さんの作品、さらに「橋本短歌会」と「橋本俳句会」のページには、会員の作品を掲載。随所に「まんげつ」会員が描いた〝萩に月〟〝イチジク〟〝サザエ〟〝彼岸花〟などの挿絵を入れて、楽しく、読みやすくしている。
11月13日(日)には午後1時半から、橋本市恋野地区公民館で、年1回の総会を開催。「中将姫旧跡保存委員会」の田中治会長から〝中将姫ロマン〟についての講演を聞くことになっている。
中尾悦子・編集局長は「編集は大変ですが、皆さん、素敵な作品を沢山投稿してくれるので、勉強になるし、楽しいです」と話し、岡本会長は「当会は、文芸に関し、初歩的な作品からハイレベルの作品まで、間口は広く、和気あいあいとしています。現在、会員100人を目指していますので、気軽に門を叩いてください」と、入会を呼びかけている。
「まんげつ」の年会費は5000円。投稿には専用の原稿用紙(1冊100枚=400円)が必要。入会などの問い合わせは、岡本会長(0736・32・3267)、中尾編集局長(0736・33・0868)、鈴木源二・会計・事務局長(090・1711・0259)。