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秋分の日〝代理墓参〟奉仕~遠方遺族に阪口氏85

きょう9月23日は秋分の日―。紀の川筋で最大級といわれる和歌山県橋本市古佐田の「古佐田橋本墓地」で、市民ボランティア組織「古佐田橋本墓地管理委員会」の阪口繁昭委員長(85)は、高齢・病弱などのため、東京・大阪など遠方から来れない遺族のために「代理墓参奉仕」を行っている。阪口委員長は「ご遺族のつらさは、よくわかるので、墓参奉仕はいといませんが、健康で経済的余裕のあるご遺族は、お墓を放置しないでください」と訴えている。
同墓地はJR南海橋本駅の北側の丘陵地にあり、約1500基の墓石が林立。墓地内の2か所には計約1000基の無縁仏がある。彼岸の入りから高野槇(まき)や鶏頭(けいとう)などの供花が増えている。
墓地の所有者は、もともと橋本出身の人たちだが、今では仕事などの都合で、東京周辺や近畿各地に移住。そのうえ年々高齢化して、足腰は不自由、さらに一人暮らし…など、とても墓参が出来ない状態の遺族が多い。
阪口委員長の「代理墓参奉仕」は毎年、春分の日、お盆、秋分の日、師走の4回で、年間計約70件にのぼる。あくまで代理墓参奉仕で、供える高野マキなどの購入資金もポットマネーから出している。
遺族の中には「ありがとうございます、からだが不自由なので助かります」と、丁寧に花代を添えた礼状も届いているが、阪口さんは「こういう方はご立派です」としながらも、「かといって、何の返信もないご遺族にも、それには、いろんな事情が、おありの事でしょう」と、その大変さも推し測る。
一方、同墓地管理委員会の委員らは、平素から水の確保や、枯れた供花の後始末、道の手すり保全、排水路の改修などを実施。9月20日には、地元の古佐田老人クラブ(池永恵司会長)の約20人が、無縁塔周辺や古佐田区民会館に通じる道路で清掃奉仕。メンバーは無縁塔に高野槇や線香を立てて、全員で合掌、先人たちの冥福を祈った。
阪口委員長は「私たちは汗まみれで清掃し、墓地を守っていますが、中には、私たちを蔑視した表現で『あんなんになったらいかんよ』と子供に話している母親がいます。そのご見識?には、情けなくて涙が出ます」と説明。最後に「枯れた供花や、ごみ類は、集積場からトラック到着地まで、私たちが運びます。墓参の方は、くれぐれも、ごみはごみ袋に入れて、集積場に置いてください」と訴えていた。
写真(上)は無縁塔に合掌する古佐田老人クラブの会員たち=「社会奉仕の日」の旗の左側が阪口さん。写真(中)は大阪府枚方市から古佐田橋本墓地へお墓参りに訪れた家族連れ。写真(上)は古佐田橋本墓地の清掃奉仕に努める古佐田老人クラブの会員たち=写真上、下は池永会長・提供。


更新日:2013年9月23日 月曜日 08:47

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