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天保の地車〟写真冊子が人気~さあ橋本の秋祭り
〝橋本の秋祭り〟は今年も10月8日(土)、9日(日)両日、橋本市で繰り広げられるが、現在、曳行されている大阪府の〝岸和田型地車〟の中でも、最古とされる橋本市東家区の地車を紹介した冊子「東家の天保のだんじり」が、注目されている。
この地車は1840年(天保11年)6月、大阪府岸和田市中町が新調。地車を飾る彫刻は、〝浪速彫刻〟の名門、花岡源助とその一門が作った最高傑作といわれる。中町や大阪府貝塚市清児、同府和泉市芦辺で曳行されていた。
橋本市東家区は1959年9月、この地車を購入して、現在まで秋祭りに曳行。とくに90年の大阪国際花と緑の博覧会や、94年の和歌山リゾート博覧会に出展されると、近畿各地の地車ファンの人気を博した。
冊子は2005年に発行、A5判44ページ、カラー刷り。〝東家の地車〟について、84舞の写真を使い、鬼板や凝宝珠(ぎぼし)など各部の名称や、正面の〝素戔鳴尊(すさのおのみこと)の大蛇退治〟や、〝源頼政と猪早太(いのはやた)の鵺(ぬえ)退治〟車板の〝鷲(わし)と猿〟などの彫刻の意味を詳しく解説している。
東家区の元区長・東又良一さんは「この地車は、再現が不可能な、見事な彫刻に覆われ、多方面から保存を望む声が多いので、記録、調査して発行しました」と言う。
執筆者で、同だんじり保存会会長の奥村浩章さんは「三国志や史記をもとにした彫刻は、登場人物の表情が、個性的に、生き生きと彫られていて、他の彫り師には、とても真似ができなかったと思います」と感心。「冊子は、秋祭りが訪れるごとに、注目されています」と話した。
冊子は、大阪府岸和田市本町11の23、岸和田だんじり会館などに置く一方、東又さんが取り扱っている。1冊800円(送料別)。問い合わせは、橋本市東家2の2の24、東又良一さん(0736・32・3352)。