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真空管・演歌が大好き~世古さんCDに自作6曲
郷土・紀伊半島が好き、真空管の音が好き、ほんものの演歌が好き…という〝個性豊かな人物〟が、和歌山県橋本市古佐田4の1の17に住んでいる。名刺によると「自己紹介 趣味 オーディオ 音楽 ギター 真空管アドバイザー」と前書きのある、世古勝重さん(63)で、「私と友人で作詞作曲した、郷土のすてきな演歌6曲があります。歌いたい人がいたら、遠慮なくどうぞ」と推奨している。
世古さんは、中学3年の頃から、真空管に興味を持ち、「真空管付き5球スーパーラジオ」を制作。真空管の収集にも没頭した。「小学生の頃、毎朝、朝礼台に立つ校長先生の言葉を聴いた。あのときの、あの声。あれが、真空管を通して聴いた声ですよ」と説明。「真空管にともる光、原音に近い響き、ズシーンと押しのある音…。それがトランジスターにはないのです」と、きっぱり言い切った。
しかし、1960年代には、トランジスターラジオに取って代わられ、今では、真空管で音楽を聴いている家庭は、皆無に近いが、世古さん方の窓からは、連日のように、昔の響きで、音楽がもれてくる。これまでに収集した真空管は、フランス、イギリス、アメリカなどの世界各国の約1000本にのぼるという。
一方、ギターも得意。中学3年生の頃、当時、ほとんどの若者が経験した「禁じられた遊び」を爪弾き、やがて古賀メロディーにのめり込み、自分なりに「我流」でギターを究めてきた。日本の本領「浪花節」はもちろん、三橋美智也さん、美空ひばりさんら、本格的な演歌歌手が大好きである・
2008年、小中高校の同窓生・中村哲さん(63)(紀ノ川市大井)と、久々に「還暦同窓会」で再開した時、2人で演歌を作詞作曲する話が持ち上がった。中村さんが作詞、その詞に合わせて、世古さんが作曲、編曲する。さらに世古さんが、コンピューターのフリーソフトの楽器に演奏させて、CD に打ち込んだ。
「♪ 紀州 箕島 女ノ浦浜辺 愛しい人を 知らないか」と歌う「紀州路一人旅」や、この歌に続いて、「♪ 女一人が伊勢路に向う 夏の終わりに 熊野では」とつづる「伊勢路へ」、さらに「♪ 周参見漁港のケンケン鰹 沖の船出は夜明け前」と歌う漁師への応援歌「周参見漁港」など、すでに6曲が出来上がっている。歌詞に登場する紀中、紀南のまちでは、イベントの際、「ご当地ソング」として、歌う話が持ち上がっている。
世古さんは「自分が作った歌を、自分で作ったアンプで、自分が聴くのは、ほんとうに楽しいです」と、実感を述べたあと、「プロでもアマでも、だれでも結構です。歌いたい人がいたら、遠慮なく、どんどん歌ってください」と話した。