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放射能、ひまわりで吸収へ~少女ら400苗を植栽
「東日本大震災の被災地に、30万本のひまわりを咲かせて、笑顔を取り戻してもらおう」と活動している和歌山県橋本市のボランティア「ひまわりの咲く街プロジェクト」=代表・県立橋本高校2年・中村ゆうさん(17)=は、ボランティアら約10人とともに7月17、18両日、同市高野口町大野の「エコパーク紀望の里」東側の土地(約7000平方メートル)で、ひまわりの苗約400本を植えた。
東日本大震災では、大津波による原発事故で、大地は放射能汚染と、塩害にさいなまれているが、ひまわりは放射能物質や塩分を最大限に吸収する能力をもっている。中村さんは「私にできることは、ひまわりを咲かせて、被災地の人々に明るい気持ちなってもらうこと」と決心。ボランティアの応援を得て、エコパーク紀望の里周辺など3か所に、ひまわりの種をまいている。昨年、収穫した種は、すでに被災地へ送り済みで、今夏、花を咲かせ、今秋、収穫する種も被災地へ届けることになっている。
17日は、かんかん照りの猛暑、18日は台風を控えた雨…。その厳しい天候の中で、中村さんは両親や、橋本市議などのボランティアとともに、土に穴を掘り、ひまわりの苗を1本1本丁寧に植えていった。すでに6月に植えた100本は、しっかり根付き、緑色の葉をひろげている。
橋本市東家の主婦・向井景子さんは、長男で橋本小学校3年・惇久くん(8)と二男優斗くん(2)を連れて参加。向井さんは「子供たちに、ひまわりの苗植え作業の苦労だけでなく、人々と協力することの大切さを体験させたいと思いまして」と、顔や手を泥んこにしながら手伝う子供たちを見つめていた。
中村さんは「ひまわりを市民に育ててもらい、種を被災地に送ろうという〝ひまわりの里親制度〟は、なかなか思い通りに進みませんが、負けないで頑張ります」と額の汗をぬぐっていた。ボランティア参加などの問い合わせは、中村さん(携帯電話080・3771・0293)。