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カラオケ喫茶に〝音響の達人〟実力派に好評
「音響効果が抜群にいい」として、和歌山県橋本市東家4丁目のカラオケ喫茶「白苑(はくえん)」が、プロの演歌歌手や、のど自慢大会出場の人たちから、好評を博している。
「白苑」は1965年ごろ、通称「浮世小路」入り口付近にオープンした。長澤文明さん(76)は80年ごろ、この店のオーナーだった姉の後を継いで、妻の美代子さん(73)とともに、店を経営してきた。
長澤さんは「演歌なら3000曲以上を歌える」という「ギター流し」並みのレパートリーを誇り、「若い頃から歌うのが大好きだった」という。それだけに、店の音響設備には格段にこだわり、資金をかけて整えたうえ、客が歌うと、その人の声量・声質にあわせて、ボリュームを上げたり、エコーをつけたり…。毎日、音響設備の前の椅子に陣取って、客の歌声に耳を立てながら、巧みに音響機械のつまみを操っている。
店内は、スポットライトが当たる明るいステージと、7人掛けのカウンター、約20人が座れるボックス席があり、その方の接待については、すべて美代子さんにまかせている。
長澤さんの、この徹底した音響へのこだわりが、評判に評判を呼んで、プロの演歌歌手が次々とキャンペーンに歌いにきたり、NHKのど自慢大会に出場する人が練習にきたり…。「自分の歌の実力を試すには、もってこいの場所」として、市内だけでなく、隣の大阪府河内長野市や、奈良県五條市からも、顧客が訪れている。また、店の壁一面にプロの演歌歌手のポスターが貼られ、ビクターの演歌歌手・柏木恵美さんの「歌謡教室」(毎月第2、第4木曜日)も開かれ、男女15人が歌い方を習っているという。
ただ、今の時代は、昔と違って、客層も大きく変わり、65~70歳代が中心になっている。長澤さんは「別に店は儲からなくてもいい。歌は健康にいいし、思いっきり遊んで、楽しく過ごしてもらえたら…」と話した。
営業は正午~午後12時。定休日は月曜。問い合わせは白苑(0736・32・3076)。