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「町家の人形めぐり」開幕。九度山で5月5日まで
各家庭にある古い人形や、手作り鎧兜(よろいかぶと)を、商店などに飾って見てもらう第3回「町家(まちや)の人形めぐり」が4月1日、和歌山県九度山町の中心街で始まった。企画・主催した「九度山町住民クラブ」代表の阪井賢三さん(66)は、「今年は東日本巨大地震で多くの犠牲者を出し、被災者が難渋しておられる。会場に義援金箱を置き、それら協力金のすべては町役場を通じて被災地にお届けします」と話している。5月5日まで。見物は無料。
舞台は、南海高野線・九度山駅~紀ノ川・九度山橋間の「真田のみち」。その商店街のど真ん中にある特設展示場では、鎧兜計約20対や、雛(ひな)飾り、吊るし雛などを展示している。うち鎧兜7対は、民家に眠っていたもの、9対は地元住民が特殊な厚紙で作った「手作り甲冑(かっちゆう)」で、訪れた人たちは「さすが真田幸村ロマンの里」「この鎧兜、まるで本物みたい」などと驚き、子どもたちは、兜(かぶと)をかぶったり、手にしたりして大喜びだ。
また、みやげ物を並べ、食事もできる「真田いこい茶屋」では、15人のボランティア・スタッフが親切に応対。「真田鉄砲弾」」と名づけたおかき(400円)や、「真田六文銭」と名づけた、真田庵などのイラスト入り煎餅(せんべい)など、食事処では、「真田うどん」(400円)やソフトクリーム(200円)などを販売。スタッフの榎本美保子さんは「人形めぐりの途中、ゆっくり休憩してください」と明るく笑う。
期間中は「なつかしの九度山写真展」を地元の阪国織物で開催。4月25日~5月1日は、九度山児童館で同町椎出地区の人たちの手芸、工芸、書画など並べた「趣味の作品展」。5月3日午前10時と、午後2時からは、水道会館で「真田十勇士の紙芝居」を見せ、「東北民話の語り」を聞かせる。また、同日午前10時~午後4時には、松山常次郎記念館で「お茶会」(有料)がある。詳しい案内マップは、九度山駅や真田庵近くの駐車場などに置かれ、観光客に利用されている。
「真田のみち」周辺には、戦国武将の真田昌幸・幸村・大助が合祀(ごうし)されている「真田庵」、日本画家の故・平山郁夫さんの「九度山スケッチ」などを展示している「松山常次郎(故人・衆議院議員)記念館」、幼時に両手を失い、口にくわえた筆で絵を描いた作品を展示した「大石順教尼の館」などがあり、とくに人形めぐり期間中は、京阪神方面から大勢の観光客が訪れている。阪井さんは、「人形めぐりは、人口減少と高齢化の中で、まちの活性化を考えて、企画しました。まちを舞台に、住民同士の和の輪を広げています。将来、すてきな観光地として、経済的に潤ってくれればうれしい」と話した。