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高野山ろうそく祭り…初の置灯籠680基ともる

10万本のろうそくを立て、ご先祖や無縁仏を供養する恒例の「ろうそく祭り」(万灯供養会)が8月13日(月)夜、和歌山県高野町の高野山・奥の院で営まれた。今回は初めて高野山・大門~奥の院・一の橋の大通りで、大小計680基の置灯籠(おきどうろう)が並べられ、参拝者は例年にない幻想的な世界を味わった。
置灯籠は、大型380基(高さ26センチ)と小型300基(同15センチ)を制作。高野山・大門~奥の院・一の橋間の大通りに、それぞれ場所に応じて、約10数基ずつ並べられた。
夜の帳(とばり)が降りるにつれて、置灯籠の明かりは次第に明るくなり、阿吽(あうん)の仁王像が眼を見開いている大門付近も、木々に覆われた霊宝館も、金剛峯寺につづく塔頭(たっちゅう)寺院も、しっとりとした雰囲気に包まれた。
一方、奥の院・参道一の橋から弘法大師・御廟(ごびょう)までの約2キロの参道では、例年通りの万灯供養会が営まれた。約1000年間、燃え続けているとされる奥の院・灯籠堂の火がろうそくに移され、参拝者は係員からもらったろうそくを参道の燭台に立てて、手囲いしながら火を点していく。
やがて、10万本のろうそくに火がともり、参道に長い灯明の帯ができると、あたりに広がる戦国大名や庶民の墓石群も、覆いかぶさる千年杉の木立も、ゆらゆらと明かりに浮かび上がり、幽玄の世界をかもし出した。
全国から訪れた参拝・観光客は、大門や金剛峯寺の大通りをそぞろ歩きしたり、奥の院・参道で深々とご先祖に祈りを捧げたり。幼い子どもたちは、祖父母や両親らの見守る中、真剣な表情でろうそくに火をともした。
参拝者らは「毎年、参詣に来ますが、今年は置灯籠の並んだ光景にうっとりしました」「風が強くて、ろうそくの火が何度も消えましたが、そのたびに心を込めて火をともしました」と、口々に話していた。
写真(上)は祖母らに見守られながら、真剣な表情でろうそくに火をともす子ども。写真(中)はろうそくの火の帯ができる高野山・奥の院参道。写真(下)は今回初めて設置されて高野山ろうそく祭りの置灯籠=霊宝館前で。


更新日:2012年8月13日 月曜日 20:50

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