「えらいこっちや、下界へ戻れるかな」。高野山の宿坊の廊下から、桧皮葺(ひわだぶき)の本堂の屋根を見て、そう思った。12月23日。いままさに夜明け前。東の空が、かすかに明らんで、そのわずかな光が、桧皮屋根を浮かび上がらせて … 続きを読む →