ニュース & 話題

橋本・真土万葉の里に梅の木など植えてね♡大阪の89歳・白石博恭さん、保存会に100万円寄付~中岡会長「白石さんのご厚情に応えたい」

万葉人が往来した〝飛び越え石〟のある和歌山県橋本市の真土万葉の里を愛する、大阪市城東区の白石博恭(しらいし・ひろやす)さん(89)は3月20日、「この里に梅の木を植えるなど、古き良き歴史を生かしてほしい」と真土万葉保存会=中岡大作(なかおか・だいさく)会長=に100万円を寄付した。

中岡会長は「誠に有難いです。会員一同協力して、白石さんのご厚情に応えたい」とお礼を述べた。

飛び越え石は、和歌山・奈良両県境を紀の川にそそぐ落合川にある。万葉古道が同川を渡る川中に、両岸から2つの巨石が突き出し、その間を滔々と水が流れている。万葉人は、馬上の宮人も、歩く旅人も、ずっと両岩を飛び越えていたらしい。

万葉人はこの真土を舞台に8首もの歌を残しており、そのうち、飛び越え石については、「白栲(しろたえ)に にほふ信土(まつち)の 山川(やまがわ)に わが馬なづむ 家恋ふらしも=作者未詳」(信土山の川で私の乗る馬が行き悩んでいる。家人が私を思っているらしい)と詠んでいる。

紀州が誇る画家・雑賀紀光(さいか・きこう)さん(故人)は、この和歌をもとに〝飛び越え石〟で馬と宮人が難渋している姿をスケッチ画に仕上げた。

同保存会では、このスケッチ画を近くの立て看板で紹介するとともに、「あずまや」(トイレ付き休憩所)も開設。近くの畑では、春は菜の花、夏は花蓮(はなはちす)、秋は向日葵(ひまわり)を咲かせており、今では四季を通じて、各地から家族連れや若者カップルらが訪れ、心和ませている。

白石さんは約6年前、この真土万葉の里をラジオなどで知り、一人で訪れた際、同会の西田郁司(にしだ・いくじ)副会長や地元女性が〝飛び越え石〟へやさしく案内。地元女性から美味しい串柿をお土産にもらった。

白石さんは、万葉集の約4500首を記憶している高齢だが、今は目が遠くなり大阪の介護老人ホームに入所。今回は長男夫婦に車に乗せてもらい、この御寄付に訪れた。

白石さんは「万葉時代は、とくに梅の花が愛されました。ここに梅の木1本植えれば、すぐに梅林になるので、これからも万葉の里を守りながら、自然豊かな里に」と話していた。

写真(上)は真土万葉の里で同保存会の中岡会長に寄付金を手渡す車いすの白石さん。写真(中)は大人気の真土万葉の里の大賀ハス=2021年7月撮影。写真(下)は〝飛び越え石〟を楽しく渡る人たち=2020年1月。


更新日:2023年3月20日 月曜日 22:10

関連記事

ページの先頭に戻る

  • 標準
  • 大
  • RSS
  • サイトマップ

検索

過去の記事