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空海の母と妙音尼ものがたり奉納♡世界遺産・女人高野別格本山・慈尊院で語り部やすきひろこさん

人々の心ひく語り部活動をしている女優・やすきひろこさん(和歌山県橋本市在住)が、弘法大師・空海の母を主題にした物語をつくり、その母・玉依御前(たまよりごぜん)が祀られている世界遺産・女人高野別格本山・慈尊院(同県九度山町)で奉納演技を行い、大勢の参拝・観光客を魅了した。

玉依御前は、讃岐(香川県)の国から、空海に会いに来たものの、高野山は女人禁制のため慈尊院に滞在、空海は毎月九度、母に会いに下山したが、やがて母は死亡、同寺に祀られた。

空海と玉依御前の「愛」を敬う一人、妙音尼(みょうおんに)は、豪雨・濁流により同院が流される悪夢を見て、「どうか流されないように」と西国33か寺を巡拝。慈尊院・住職には夢の内容と移築の願いを語ったことから、同院・伽藍(がらん)は今の高台に移され、その後の豪雨・洪水の難を見事免れた。今の紀の川は、まさに当時の伽藍の上空を流れていることになる。

この物語を裏付ける資料は、玉依御前を祀る同院・弥勒堂(みろくどう)に、妙音尼の直筆の絵・文字の木札が残っている。

この日の「語り部奉納」は、山門正面の境内でライトアップされた朱塗りの多宝塔わきで開催。やすきひろこさんは玉依御前と妙音尼役、俳優の横瀬智也さんは空海役で登場して山田裕子さんの箏演奏、ユン・ツボタジさんのパーカッションに合わせて、空海・母子の愛、妙音尼の崇敬心をあでやかに披露。家族連れら約70人の客席からは「良かった、心打たれた」と大きな拍手が起きていた。

途中、舞台中央で般若心経を唱え、世界平和と人々の幸せを祈った安念邦賢(あんねん・ほうけん)副住職は「やすきひろこさんの奉納演技に皆さまが感動され、とてもうれしかったです」と讃えていた。

写真(上、下)は空海の母・玉依御前や妙音尼を演じるやすきひろこさんや、空海役の横瀬智也さんら。写真(中)は慈尊院・山門前から眺めた朱塗りの多宝塔のライトアップ風景。


更新日:2022年10月31日 月曜日 22:45

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